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テレビ中継塔への送電線切断相次ぐ

Posted December. 19, 2002 11:35,   

「誰が何故…」。

先月末から、首都圏4カ所のテレビ中継塔への電力線が相次いで故意に切断されたり、放火される事件があり、犯行の動機と目的が疑われている。

代表的なテレビ放送の中継塔であるソウル南山(ナムサン)タワーの場合、先月30日、テレビ送信所への電力供給線が故意に切断されたのに続き、17日午後、同時間帯(午後4〜5時)に、同じ地点で再び放火とみられる火事があった。先月は、水原(スウォン、26日)、城南(ソンナム)と河南(ハナム、28日)でも中継所の電力線が切断された。

▲誰の犯行か〓警察は電気についての専門的な知識を持つ専門家らの集団的な犯行である可能性が高いと判断している。

2万2900ボルトもの電力線を誤って切ると、途方もない爆発が起き得るからだ。犯人らは、爆発を防ぐために電線の外皮をはがした後、中にある3つの電線を次々に切断するち密さを見せた。また、電力線が地下から地上に上がってくる地点で切断したのも、専門家の仕業であるのを裏付ける証拠だ。

また、こうした高圧電力線を切断するには、200万ウォン台にのぼる遠隔操縦の油圧切断機が必ず必要とされることから、単独犯の犯行とは考えにくいという。

▲何故犯行を行ったのか〓電力供給線を故意に切断した理由はミステリーだ。

公営放送のKBSテレビ(韓国放送公社)をはじめとし、南山タワーを送信所として使用している放送局は「電力供給が遮断されれば、テレビ中継が中断されることはある。しかし、電力線が切断された瞬間に、非常時の自家発電機が働いて、放送の中継には問題がないということは、専門家ならみな知っている」と話した。テレビ中継を邪魔する目的とは見がたいという分析だ。

しかし、非常発電機が作動しない場合、少なくとも2時間にわたって地域別のテレビ中継を中断することができるとの点から、このように断定するのもむずかしい状況だ。ソウル南山タワーは、ソウル・京畿(キョンギ)と忠清(チュンチョン)南北一帯の送信を受け持っていて、問題がある場合、総人口の48%ほどのテレビ視聴が不可能になることもあり得る。

とりわけ、KBSテレビが運営している全国の100の送信所のうち、半分以上が無人中継所であることから、電力線の切断などに、即時対処するのはむずかしいとされる。

▲警察捜査〓警察の一角では、韓国電力公社内部の不満勢力による犯行との推測が出ているが、韓電側は「絶対にあり得ないことだ」と否認している。

韓電は「被害の復旧作業は韓電がしなければならないが、韓電をねらったテロならば、電力線の切断以外にも、さらに大きな波紋をもたらし得る方法がたくさんある」との見方を示した。

しかし、警察は「11月30日に売却が成立した韓電のある子会社関係者の仕業である可能性について捜査中だ」と話している。



金善宇 sublime@donga.com