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この国での生き方に関する黙示録的省察

Posted February. 24, 2017 08:38,   

Updated February. 24, 2017 08:41

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2016から2017年にかけて、大韓民国は歴史的記録を作っている。この地に祖先定着後、最大の記録を立て続けている。よりによって、隆盛と多産を意味する赤い鶏の丁酉年へと続いた鳥インフルエンザ(AI)のために、鶏やアヒルの家禽類3300万匹、すなわち国内で飼育する家禽類の25%を殺処分した。歴史の中で、人間と家畜の両方を合わせて、この地での最大の生命殺しだ。さらに、2月初めからは口蹄疫が発生して、牛の殺処分も行われている。

我々は皆、このおぞましい生命殺傷についての深い実存的省察、自然摂理の裏切りについての文明史的反省をしなければならない。2011年に牛や豚など354万頭、2014年は家禽類1400万匹が処分されたのに続き、一昨年はMERS災害を経験しても、教訓を得られなかった恥ずかしい「予防失踪」の国になった。

2014年の旅客船セウォル号惨事が「事態」に変質され、「これが国か」という疑問が出てきた。その時「国家改造」という言葉も出てきた。生命や命の安全問題がどれほど深刻かを悟らせるシグナルなのに、もう一つの歴史記録である檀君(タングン)以来、最大規模の市民たちの広場でのろうそくとそれに対する向かい火に遮られている。今、この地や天を徘徊しているのは、命への警告だ。儒教伝統の国で、自殺率や尊属殺人率、整形手術率が世界トップなのは、尋常ならぬ兆候だ。

第一、省察は、現代文明における利便さや快適、繁栄、特に安全は絶えずコストを払ってこそ可能なことだ。セウォル号のような海洋事故を防ぐには、口蹄疫やAIを防ぐためには、今、政府や消費者、企業や農家が払うコストだけでは不可能だ。デンマークやノルウェー、日本ぐらいの安全基準や管理をしようとしても、その実質費用は今の3、4倍にさらに高めなければならない。畜産飼料の95%を輸入に頼っており、家畜糞尿による環境影響などの社会経済的費用を総合評価すれば、果たしてこの地で畜産業が可能なのか、という根源的質問まで出てくる。

建築専門家によると、建物や道路、トンネル等の人工構築物の建設コストは、構築物のメンテナンスや管理、廃棄コストの2%に過ぎない。日常の管理コストや社会的費用の98%をつぎ込んでこそ、その便益を安全に享受できる。すべての社会活動にも同じ原理が適用されるだろう。私たちは、外形的「建設」だけに埋没され、その維持、管理や安全、そして社会的コストという実質的コストを無視する習慣があまりにも長く続いている。

土地の狭い韓国は、人口や住宅、都市化、道路、家畜飼育、発電所(特に原発)や送電・配電線の密度が世界最高レベルだ。密度が高いほど、安全事故のコストはさらに膨らむことになるが、安全意識やルール遵守はむなしいほどであり、その終末はあまりにも自明といえる。ただというものは、天にも地にもなく、昨日も今日も明日もない。

第二は、人生の物理的基本条件である生命資源、すなわち食べ物やエネルギーの供給条件を巡る基本的省察だ。自由貿易を叫ぶ欧米先進諸国であるほど、エネルギーや食べ物を自給していない国などない。その大半は、食糧は「余剰」であり、エネルギーも余剰または実質的自給だ。所得水準では先進国でありながら、エネルギーの90%以上と食べ物(米を除く)の80%以上を輸入に頼っている、生命資源を完全に輸入に依存している先進国は、韓国と日本だけだ(シンガポールや産油国は除く)。中国は、1990年代前半までは石油輸出国だったが、今は世界最大のエネルギー輸入国であり、米や豆の世界最大輸入国に転落した。

AIの原型は中国であり、今後も引き続き中国発AI発生が予測できる。いつのまにか天気予報のたびに、粒子状物質の濃度が知らされるのが日常となった。今後、米国やロシア、日本に次ぐ第4の大規模な原子力災害が起きるとするなら、それは中国になるだろうと予測されている。

韓国や日本、中国は、生命資源の条件においては共同運命体だ。生命安保、つまり生命資源の供給、生命安全、生命平和を基に、北東アジアの協力基準を変えなければならない。この地とこの地周辺の命の暮らしは、現代が作り出した21世紀における地球村の人類の「問題群」の中心だ。近代や現代に遅れて参加したが、近代や現代が作り出した安全や環境、地球温暖化問題群の爆発震源地は、ほかならぬ北東アジアだ。今、生命や安全、安保、平和に関する昨日の常識と慣行から抜け出して、新しい標準を立てなければならない。繁栄や豊かさではなく、生存の安全や平和という新しい基準、生活の様式や考えの基準、国家体制を変えることだ。2016年や2017年の数々の黙示録的記録、生命屠殺やろうそくの歴史的記録の啓示は、大韓民国が近代、現代を超える新しい基準を創造せよという意味だ。