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退場するクリントン氏

Posted November. 10, 2016 07:05,   

Updated November. 10, 2016 07:37

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米国初の女性大統領を夢見た民主党候補のヒラリー・クリントン氏(69)が、ガラスの天井を破るのに失敗した。2008年のオバマ大統領との民主党予備選から8年間続いたクリントン氏の大統領選への挑戦は幕を下ろした。

長年の夢は叶わなかったが、クリントン氏は淡々としていた。開票が行われた8日(現地時間)午後、クリントン氏はツイッターに「私たちの陣営を本当に誇らしく思う。今夜どんなことが起ころうとすべてのことに感謝する」とつぶやいた。開票が終わった一部地域で敗色の兆しが見えた頃の所感だった。

同日午前8時、ニューヨーク郊外のチャパクアのグラフリン・スクールに設置された投票所で夫のビル・クリントン氏と投票した時は、「謙虚な気持ちで投票に臨んだ」と話した。全力を注ぎ、できることをすべてしたということだ。

クリントン氏は2008年に大統領選候補を選ぶ民主党予備選でオバマ大統領に敗れた時も、淡々と受け入れた。クリントン氏は「最も高く最も丈夫なガラスの天井を破れなかったが、天井には1800万個(支持者数)の穴があいた」と自らを慰めた。その10年前の1998年、ビル・クリントン氏のモニカ・ルウィンスキースキャンダルが起こった時も、夫のそばを離れず「冷たい女」とまで言われた。

逆境にも強靭なクリントン氏だが、今回の敗北だけは回復が難しい傷を残すとみえる。クリントン氏に米国初の女性大統領という夢は切実だったためだ。

クリントン氏は幼い頃から政治家の夢を抱いた。幼い頃に両親に捨てられて祖父母の手で育てられた母親のドロシー・ローダムから、「女も能力を生かさなければならない」と教えられた影響が大きかった。クリントン氏は、米東部の名門女子大であるウェルズリー大学に入学し、1968年に学生会長を務め、翌年5月に卒業式で歴代卒業生で初めて演説をし、全国に顔が知られた。1971年にイェール・ロースクールでビル・クリントン氏に出会い、ファーストレディ、上院議員、国務長官と華やかな政治街道を突き進む前からクリントン氏は野望を育んできた。

準備された政治家だったクリントン氏がもろくも崩れたのは私用メール問題で増幅した冷たく偽善的なイメージのせいと分析されている。現地メディアは、遊説のムードを報道し、「有権者を感動させる情熱がトランプ氏にはあるがクリントン氏にはない」と指摘したことがある。トランプ氏は、テレビ討論会と遊説を通じてメール問題を取り上げ、「クリントン氏を拘束しなければならない」と主張した。



조은아 チョ・ウンア記者 achim@donga.com