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IS、4年9ヵ月ぶりに地図から消える

Posted March. 25, 2019 08:16,   

Updated March. 25, 2019 08:16

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無差別破壊とテロで悪名を轟かせた過激派組織「イスラム国」(IS)の最後の占領地が奪還された。2014年6月、シリアおよびイラク北部を占領したISが、「カリフ国家建設」を宣言して約4年9ヵ月が経った。

シリアのクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は23日、「ISの最後の拠点であるシリア東部バグズ村内のすべてのISを掃討した。『軍事的勝利』を宣言する」と明らかにした。これで、地図上のISの占領地は完全に消えた。SDF兵士は同日、バグズ村内の各建物にSDFの象徴である「黄色い旗」を掲げ、勝利を祝った。残るIS隊員の一部が建物や車両に爆弾をしかけ、あちこちで交戦を繰り広げて最後まで抵抗したという。

主要国の首脳も歓迎した。トランプ米大統領は22日、「米国が国際有志と共にシリアやイラクですべてのISの占領地域を解放させたことを発表することができてうれしい」と明らかにした。英国のメイ首相は23日、「IS掃討作戦に貢献した英国および有志連合の献身と勇気がなければ不可能だった歴史的な出来事」と称賛した。フランスのマクロン大統領も同日、「重大な脅威が消えた」と歓迎した。

「唯一信仰と聖戦団」というスンニ派組織から出発したISは、その勢力が頂点に達した2014年末、シリア領土の25%、イラク領土の13%を占めるほど威勢をふるった。当時の面積は英国の領土(約24万平方キロメートル)ほどだ。IS統治下の人口も900万人にのぼった。

ISは、自分たちが主張するイスラム原理主義による国家建設のために手段と方法を選ばなかった。他宗教の信者を斬首または火あぶりにする残酷な処刑をし、戦争捕虜を車中に閉じ込めてロケットを発射して殺害したこともある。中東の少数民族ヤジディ族を虐殺し、多くの女性を性的奴隷にするなど、ISが犯した反人倫戦争犯罪は数えきれない。原油の採掘、古代遺物の密売、拉致・強盗などで得た資金がこの残酷な統治を支えた。

ISの占領地は消えたが、テロの脅威まで完全に消えたわけではないという見方が多い。ISの最高指導者アブバクル・パグダディ容疑者の死が確認されておらず、世界各地に数万人のIS追従勢力もいる。テロ専門家たちは、「ISがオンラインで宣伝扇動およびテロ謀議を続け、再起を模索するだろう」と見通している。


徐東一 dong@donga.com