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「低出産対応部」新設、省庁を作れば解決できる問題か

「低出産対応部」新設、省庁を作れば解決できる問題か

Posted May. 10, 2024 08:36,   

Updated May. 10, 2024 08:36

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は9日、「少子化問題は国家非常事態」とし、低出産高齢社会委員会を省庁に昇格させ、「低出産対応企画部」を新設すると明らかにした。また、過去に経済開発5ヵ年計画を推進した経済企画院に触れ、「強力なコントロールタワーの役割を任せたい」と述べた。低出産部長官が社会副首相を務め、教育、労働、福祉を網羅する政策を策定するようにするということだ。

少子化対策は、18年間380兆ウォンもの予算が投入されたが、各省庁にばらばらだったため、効果を実感できないという指摘が多かった。しかし、1960年代の高度成長時代を踏襲した省庁の新設で、画期的な少子化対策ができるかは疑問だ。

社会副首相は教育部長官ではなく、低出産部長官が担当するという点が変わるだけで、今も教育、労働、福祉の各省庁を総括している。その上には、首相室と大統領室が省庁間の政策調整機能を担ってきた。大統領は、「少子化政策を単なる福祉政策ではなく、国家的なアジェンダにする」と述べたが、これまでなぜ首相室、大統領室のコントロールタワー機能が働かなかったのかということから考えなければならないのではないか。このようなことに対する精密な検討なしに、機構を作るだけで問題が解決される可能性はほとんどない。

何よりも、低出産部の業務が複数の省庁にまたがっているため、省庁の機能と予算を調整するのにかなりの困難が予想される。与野党間で具体的な運営計画をめぐって意見が対立し、省庁間の領域争いが起これば、迅速な立法は難しいだろう。政府は今年3月に予定されていた少子化総合対策すらまだ発表できていない。組織改編の可否をめぐって時間ばかりを浪費していないか心配だ。