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「高インフレの米国、来年景気低迷に直面」世界の経済学者70%が予測

「高インフレの米国、来年景気低迷に直面」世界の経済学者70%が予測

Posted June. 14, 2022 09:28,   

Updated June. 14, 2022 09:28

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世界的なインフレで、米国が来年、景気低迷に直面すると経済学者が見通した。米国をはじめ各国の中央銀行が物価上昇の勢いを抑えるために強い緊縮政策を導入する場合、経済活動が大幅に萎縮する「ハード・ランディング」が現実のものになることが懸念されている。

英紙フィナンシャル・タイムズが12日、米シカゴ大ブース・ビジネススクールと共同で経済学者49人を対象にアンケート調査を実施した結果、回答者の70%は、来年景気低迷に直面すると見通した。特に、回答者の38%は、米国の景気低迷の時期を来年上半期(1~6月)と指摘した。来年下半期(7~12月)と答えた学者は30%だった。2%は今年末と予想した。

米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が基準金利をどこまで上げることができるかについて、回答者の55%が3~4%と予想した。現在の基準金利0.75~1.00%の3倍まで上げることができるということだ。同紙は、「今回の質問結果は、経済的苦痛を生じさせることなく需要を抑えることができるというFRBの立場に逆行する」と指摘した。経済学者らは、FRBの早い緊縮は景気低迷が伴うほかないと考えているのだ。

米CNBCが先週実施した主要企業の最高財務責任者(CFO)22人に対するアンケート調査でも、「景気低迷を避けることができる」という回答者は誰もいなかった。回答者の68%は、景気低迷の時期を来年上半期と見通した。77%は、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が3万ドルを割り込むと予想した。

サマーズ元米財務長官は12日、CNNに出演し、「今のように高インフレで失業率が低い場合、2年以内に景気後退を招かなかったことはない」とし、「FRBのインフレ見通しはあまりにも楽観的」と指摘した。クリントン政権で財務長官を務めたサマーズ氏は、バイデン政権の景気刺激策を批判してきた。過度な金融緩和はインフレを引き起こしかねないというサマーズ氏の主張は現実になった。5月の消費者物価指数(CPI)は1年前より8.6%急騰し、41年ぶりの最大幅の上昇を続けた。サマーズ氏は、「物価はさらに上がるリスクがある」とし、「物価が早く下がる確率は小さいと考える」と話した。

一方、バーナンキ元FRB議長は同日、CNNとのインタビューで、サマーズ氏の意見に同意するかと問われ、「景気軟着陸は可能だ」と反論した。バーナンキ氏は、「景気低迷に直面する可能性もあるが、FRBは軟着陸を達成する可能性がある」と強調した。現在の経済が1970年代のスタグフレーションと似ているのかという質問にも「そのようには考えない」と答えた。


兪載東 jarrett@donga.com