「アルトマン－マスクだけにＡＩの運命を任せられない」

「サム・アルトマンやイーロン・マスクのようなシリコンバレーの少数に人工知能（ＡＩ）の運命を任せることはできない」

世界的な政治経済学者のダロン・アセモグル米マサチューセッツ工科大学（ＭＩＴ）教授（写真）は２１日（現地時間）、東亜（トンア）日報とのインタビューで、「ＡＩは蒸気機関やコンピューター発明に匹敵する技術革命」とし、「少数企業が開発方向を決めるＡＩは不平等を引き起こし、民主主義を損なうだろう」と述べた。産業革命、情報化革命と同様の波及力をもたらすＡＩ革命が、オープンＡＩ最高経営責任者（ＣＥＯ）のアルトマン氏やテスラＣＥＯのマスク氏、フェイスブックＣＥＯのマーク・ザッカーバーグ氏など、米国のテック経営陣が左右する状況に警鐘を鳴らしたのだ。

アセモグル氏は、世界の指導者たちの必読書に挙げられる著書『国家はなぜ衰退するのか』で有名だ。尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領も大統領候補だった時、「人生の本」として挙げたことがある。最近、著書『技術革新と不平等の１０００年史』で、少数エリートが技術を利用して社会的便益を独占しようとした歴史を豊富な事例を通じて証明し、ＡＩ独占を警告した。

アセモグル氏は、「シリコンバレーの少数技術リーダーは現在、ＡＩを（人間レベルの知能を備えた）人工一般知能（ＡＧＩ）と自動化に導いている。これだけでは、生産性の向上と雇用創出という目標に達することはできない」と主張し、「最も緊急の問題は、正しいＡＩ規制と政策を採用し、人間中心のＡＩを実現すること」とし、「韓国が技術と合わせて人的資源を活用して成長したことが、ＡＩ時代に教訓になる可能性がある」と強調した。

アセモグル氏は３０日、「ＡＩ大革新の時代と韓国金融の未来」をテーマに東亜日報とチャンネルＡが主催する「２０２４東亜国際金融フォーラム」で、「ＡＩと経済及び社会の未来」について基調講演を行う。


金玹秀 kimhs@donga.com