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4年ぶりに再開された韓中日会談、新冷戦の「緩衝外交」の出発点になることを

4年ぶりに再開された韓中日会談、新冷戦の「緩衝外交」の出発点になることを

Posted May. 27, 2024 08:45,   

Updated May. 27, 2024 08:45

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田文雄首相、中国の李強首相が出席する韓中日首脳会議が27日、大統領府迎賓館で開かれる。2019年12月に中国成都で第8回会議が開催されて以来4年5か月ぶりだ。尹大統領は26日午後、訪韓した李氏、岸田氏とそれぞれ龍山(ヨンサン)大統領室で2国間会談を行い、韓中、韓日の協力について協議した。大統領室は、「今回の韓中日首脳会談が3ヵ国協力体制を完全に復元し、正常化する分岐点になるだろう」と述べた。

実際、今回の韓中日首脳会談で過去4年余りの空白を超える具体的な成果が出るという期待は大きくない。これまで北東アジア情勢の急激な変化、すなわち、韓国・日本と中国の関係が事実上最低点にある昨今の現実のためだ。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで始まった韓中日の断絶は、北朝鮮の核脅威の高度化、米中戦略競争の激化、ロシアの侵略戦争など、様々な地政学的な悪材料が重なり、さらに悪化した。その分、北東アジアの安全保障は危うくなり、その関係は冷え込んだ。

したがって、今回の3ヵ国会議は、長い空白期を経て再開されたこと自体、つまり、コミュニケーションのモメンタムを作ったということに意義を置くべきだろう。半導体などのサプライチェーンの問題、北朝鮮とロシアの兵器取引や北朝鮮の非核化、台湾海峡の緊張などの問題は一旦脇に置き、気候変動や災害対応などの長期的な協力課題で共通分母を探そうとしているのもこのためだ。これまでの慣例とはいえ、中国からは習近平国家主席ではなく、実権のない李氏が出席することも大きな期待を持てない要因でもある。

ただ、今回の会議を機に、激しい新冷戦対決の流れの中で、韓中日3ヵ国が「緩衝外交」に乗り出すという点では、その意味は大きい。今回の会議再開は、これまで韓日の絶え間ない協力要請にも及び腰だった中国が態度を変えたことによる。中国としては、米国との衝突を防ぐために関係改善に乗り出し、韓日を通じて米国からの圧力を下げる必要があるからだ。さらに、韓日も米中覇権衝突の流れ弾を受けないためには、中国とのコミュニケーションが必要な状況だ。

韓中関係は現実的に米中関係に連動するしかないのが現実だ。これまで韓国は、北朝鮮の核に立ち向かう韓米同盟、韓米日安全保障協力を強化し、一定程度、米国と日本に中国牽制の声を合わせるしかなかった。その結果、中国との激しい外交的葛藤が生じた。しかし、「韓米日 対 中朝ロ」の対決は韓国としては避けなければならない構図だ。今回の会議を機に、米中の間に挟まれた存在ではなく、米中衝突を緩和し、域内協力メカニズムを作る架け橋国家として韓国の外交力を示さなければならない。