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4月の生産と消費が同時にマイナス転落、製造業の在庫率は「史上最大」

4月の生産と消費が同時にマイナス転落、製造業の在庫率は「史上最大」

Posted June. 01, 2023 08:32,   

Updated June. 01, 2023 08:32

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輸出減少と内需萎縮の影響で、4月の生産と消費が同時にマイナスに転じた。さらに、半導体景気の低迷などで製造業の在庫率が過去最高に高騰した。今年下半期(7~12月)の景気回復が不透明だという予測が出ており、政府の「上低下高(上半期は低迷、下半期は上昇)」の期待とは裏腹に、「上低下低」の流れが続く恐れがあるという懸念が出ている。

●半導体発の在庫率は過去最高に急増

統計庁が31日発表した「4月の産業活動動向」によると、産業全体の生産(季節調整・農林漁業を除く)指数は109.8(2020年=100)で、前月より1.4%減少した。これは昨年2月(マイナス1.5%)以来14ヵ月ぶりの最大の減少幅となる。今年2月(1.0%)や3月(1.2%)に良好だった生産活動が、再び萎縮した様子を見せている。

このうち、半導体や化学製品などを含む鉱工業分野で生産減少が目立った。通信・放送装置(13.4%)などの生産は増えたが、機械装置(マイナス6.9%)と医薬品(マイナス8.0%)などで減り、全体鉱工業生産は1.2%減少した。昨年同期に比べると8.9%減少したが、主要輸出品目である半導体(マイナス20.2%)と化学製品(マイナス20.5%)の減少幅が大きかった。一方、自動車生産は昨年より16.6%伸びた。

生産減少にもかかわらず消費萎縮が急激に進み、在庫率(製品出荷比在庫比率)は130.4%で、前月より13.2ポイント高騰した。関連統計を取り始めた1985年以降、最も高い数値だ。在庫率の上昇は、製品がよく売れず、すでに生産された物が倉庫に積まれているという意味だ。特に半導体から出荷が20.3%減り、在庫は31.5%も増え、全体在庫率の上昇を主導した。

消費動向を示す小売販売額指数(季節調整)も4月は105.2(2020年=100)で、前月比2.3%減少した。今年2月に5.1%増加し、強気を見せていた小売販売は3月は0.1%増加と鈍化したが、4月に入ってマイナスに転じた。

●半導体の低迷で景気の「上低下低」を懸念

政府は、下半期の半導体景気の回復などを根拠に「上低下高」の観測を出しているが、景気回復の時点が予想より遅くなりかねないという予測が出ている。統計庁のキム・ボギョン経済動向審議官は、「政府は上低下高の景気の流れを予想したが、景気が上がる時点をめぐり色々と不確実な部分が多い」と話した。今後の景気を予告する先行指数の循環変動値は前月より0.2ポイント下がり、昨年11月から6ヵ月連続で下落した。

何よりも、主要輸出品目である半導体の回復速度が、当初の予想を下回っている。産業研究院は、先月30日発表した「2023年下半期の経済・産業予測」の報告書で、今年下半期の半導体の輸出額は1年前より12.8%減ると予測した。今年全体では、半導体輸出が24.7%減少すると見ているが、これは今年1月に予測した年間減少幅(前年比マイナス9.9%)の約3倍に近い数値だ。

産業研究院のキム・ヤンパン専門研究員は、「半導体景気は、今年下半期まで厳しい状況が続き、早くても来年上半期に持ち直すものと見られる」とし、「人工知能(AI)分野の成長にともなう期待があるが、(半導体市場は)まだパソコンまたはスマートフォンなど、個人的需要が主導しているため、AI分野の成長の影響が拡散するまでに時間がかかるだろう」と見通した。

韓国開発研究院(KDI)のチョン・ギュチョル経済予測室長は、「4月まで、産業動向を基に下半期の予測を明確に話すことは難しい」としながらも、「世界的に金利高が続いているうえ、物価もやはり安定しておらず、景気減速はしばらく続くものと見られる。半導体業況と中国向け輸出が回復しても、上半期の低迷を緩和する水準に留まる可能性が高い」と話した。


世宗市=チョ・ウンヒョン記者 yesbro@donga.com