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理解することが共に勝つ道

Posted March. 27, 2023 08:26,   

Updated March. 27, 2023 08:26

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「Understanding is not agreeing(誰かの観点を理解することは、完全に同意するというわけではない)」(ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー他『ハーバード流交渉術』)

最初にこの本を読んだ理由は単純だった。フリーランスとして交渉のための良い方法が気になったからだ。しかし、いざ本棚の中を覗いてみて気づいたのは、実はこの多くの交渉の道具と方法が、職業的な領域を離れた関係でも適用できるということだ。恋人や親子の間でも、喧嘩に勝ちたいというプライドを捨てることができれば、そして互いを理解したいという気持ちが大きければ、もっと簡単な会話ができるということだ。

人生は交渉の連続だ。実は私たちが最も多く交渉する対象は、他でもない自分自身だ。他人と議論をする瞬間にも、私たちはそれと同時に自分自身と会話をし、ある種の交渉をしている。あの人を許すか、許さないか。

数ヵ月前に結婚した。喧嘩の相手がすぐ隣にいるその人であることが多くなった。喧嘩しながらも「理解してくれるかどうか」悩む時、ただ自分のプライドを捨てれば、簡単かつ迅速に問題が解決した。「この人が正しかった、だから私が負けた」という考え方とは違う。「この人はこう考えることができるだろう」という理解だけで十分だ。そうすれば相手も私に心を開いてくれる。互いに理解し、理解され、心を開いて安全だと感じる時、私たちは共に勝利の道を歩むことになる。

このような原則は、ビジネス分野でも心に留めておく価値がある。最近、新しい創業に挑戦したが、業界の最新トレンドを見ると「同意」したり「共感」したりすることが難しい場合が多かった。それでも、そのトレンドを理解し、消費者の心を満足させることができれば、私のブランドの利益になるに違いない。一度開いた理解の扉は、私をより深い理解の道へと導いてくれる。

理解は常に容易ではない。しかし、挑戦してみる価値はある。誰かの心を理解することは負けることではなく、共に勝つことだと、今は信じているからだ。