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挑戦するときに来る幸せ

Posted March. 20, 2023 08:37,   

Updated March. 20, 2023 08:37

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幸福は人生の瞬間に深く没頭するときに訪れるものだ」(ミハイ・チクセンミハイ著「フロー」)

1990年代初頭、米国シカゴ大学留学時代、心理学科のチクセンミハイ教授の「フロー(Flow)」という概念を初めて知った。フローとは、「時間の流れや空間、さらには自分自身についての考えさえも忘れるような完璧な心理的没入状態のこと」。概念は馴染みがなかったが、「無我夢中」「夢中」を思い浮かべればある程度理解できた。 彼は幸せな人生を作る原動力を「没入」に見いだし、「フロー」は米国社会各界層から関心と称賛を受けた最高のベストセラーとなった。

韓国社会は幸せか? 2022年の国連世界幸福報告書によると、韓国の幸福度は59位だ。韓国社会の全体的な幸福度が経済水準に及ばないことが分かった。数年前からMZ世代を中心に流行しているファイア(FIRE)族やヨロ(YOLO)族は、日常の中で小さな幸せを自ら見つけようとする新しい流れだ。ファイア族は退職資金を用意した後、早期退職して幸せな生活を送ろうとするもので、ヨロ族は一度しかない人生なので、現在の幸せのために旅行、趣味、余暇、外食などに集中するというものだ。このような流れは、仕事や職場を重視していた既成世代とは異なり、仕事を経済的な手段として考える傾向だ。

しかし、幸せは単純な喜びや楽しみとは違うものだ。休息や趣味生活だけでは、真の幸せを感じることはできない。チクセンミハイ教授の研究結果を見ても、人々が没頭しやすい瞬間は、休息や余暇時間ではなく、働く瞬間だった。人々は仕事への没頭を通じて真の幸せを感じる。没頭する能力は「心の力」であり、逆境を楽しい挑戦に変える「心の力」こそ、幸せな人生のための核心要件である。

最高の幸せは、「挑戦的だが価値ある仕事を成し遂げるために体と心を最大限努力して没入状態に陥る時」に訪れるのだ。