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世知辛い人情世態

Posted December. 02, 2022 09:14,   

Updated December. 02, 2022 09:14

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禅僧が詩を通じて裕福な時と貧しい場合に備えた例は多くない。財物に目がくらむ世知辛い人情世態をこのように露骨に批判するのは、世俗の名利とはかけ離れた僧侶だったから可能だったのかもしれない。財物があるかないかによって、家族ですら自分に対する態度が変わる。極度に貧しくても、財物を得て裕福になったりするのが人生だが、富を貪り他人を顧みない世態が詩人の目には気の毒に映る。

宗教的、教訓的効果で詩的な趣きが多少色あせたものの、この詩は日常会話のように簡単で親しみやすい言葉が特徴だ。このため、当時多くの寺院で初学者の学習用に活用されたという。「服がなく私に寒い思いをさせ、食べるものがなく私にひもじい思いをさせる/天よ、あなたに私を返すから、生まれる前の時を返してほしい」というように、自由奔放で奇抜な発想、気の利いた風刺で「梵志体」が生まれ、寒山、 王維、白居易など多くの詩人がこれを踏襲した。