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NSCの調整機能低下が外交・安全保障の亀裂を広げる

NSCの調整機能低下が外交・安全保障の亀裂を広げる

Posted July. 03, 2026 08:32,   

Updated July. 03, 2026 08:32


外交・安全保障問題に唯一の正解はない。韓半島問題一つを見ても、北朝鮮とどう向き合うのか、米国をはじめとする周辺国との連携をどう進めるのか、その答えは一つではない。異なる観点や意見がぶつかり合い、その衝突の過程を経て一つの国家戦略としてまとめられる。それこそが国家安全保障会議(NSC)が存在する理由だろう。

ところが最近、そうしたプロセスが適切に機能しているのか疑問視する声は少なくない。李在明(イ・ジェミョン)大統領の欧州歴訪中、政府は韓国・欧州連合(EU)首脳会談の共同声明で、ロシアとの軍事協力を続ける北朝鮮を強く非難した。しかし、その4日後にはバチカンで、南北対話の再開と韓半島の平和共存への意思を強調するメッセージが発せられた。むろん、相手によって表現や力点を変える外交の特性を考えれば、2つのメッセージにはそれぞれ妥当な文脈がある。

問題は、それらのメッセージを貫く戦略が見えてこない点だ。外交には柔軟性が必要だが、戦略には一貫性がなければならない。個々のメッセージに妥当な背景があったとしても、大きな戦略の下で調整された結果なのか説明されなければ、対外的には一貫性の欠如や混乱と映りかねない。そのため、EU共同声明の内容を事前に共有されなかった一部の機関からは不満の声も上がった。外交・安全保障分野の政府高官は、「いつからか、機微な案件は常任委員会にほとんど上がらなくなった」と話す。

司令塔機能に対する疑念は、政権発足から1年間にわたり、同盟重視派と自主路線派の対立が繰り返されてきた結果なのかもしれない。対立が解消されないまま、NSCの多数意見を最終決定権者である大統領が覆すような結果になれば、まず非難の矛先を向ける相手探しが始まる。今年の北朝鮮人権決議共同提案国への参加問題がそうだった。会議の場で解決できないため、世論戦を通じて特定の人物を批判し、NSCの仕組みそのものを揺さぶるという、決して望ましくない現象まで続いている。

NSCでさまざまな意見を調整し、大統領が最終判断を下す従来の仕組みが揺らげば、結局残るのは広がった亀裂だけだ。プロセスが省略されれば、最終判断は戦略的な選択ではなく、誰かの直言や特定ラインの影響によるものと受け止められかねない。同盟重視派と自主路線派を同時に起用することも、牽制と均衡という期待された効果ではなく、いつでも亀裂や対立へと発展しかねない脆弱な土台の上にあるということだ。

しかも、米国とイランの武力衝突が終戦局面に入りつつある中、今年後半にはワシントンの関心が再び北朝鮮問題へ移る可能性が指摘されている。数年にわたる沈黙を破って北朝鮮が変化の兆しを見せたり、米朝接触が本格化したりすれば、政府内では対北朝鮮政策を巡る戦略的な意見の相違が今以上に大きくなる可能性がある。観点や意見が衝突しても、絶えず接点を見いだし、それらを一つの戦略として束ねられる司令塔がしっかり機能していなければならない理由だ。

李氏はこれまで各省庁の閣僚に対し、「大いに議論し合ってほしい」と求めてきた。異なる意見を調整していくプロセスの重要性を強調したものだろう。こうした機能が働かなければ、文脈のつながらないモザイク状のメッセージが繰り返されるほかない。それは、一貫した戦略の下で国益に沿って柔軟に対応するという現政権の「国益中心の実用外交」が意味するところでもないだろう。