
米国とイランによる終戦に向けた覚書(MOU)締結を巡り、最終段階の駆け引きが続く中、米国がイランへの軍事的圧力を強めている。27日(現地時間)、ロイター通信やFOXニュースなどによると、米軍は同日、イランのドローンを迎撃し、軍事施設を空爆した。これを受け、イラン革命防衛隊は28日、米軍の攻撃を「侵略」と規定し、報復に乗り出したと明らかにした。革命防衛隊は具体的な攻撃対象は明らかにしていない。ただ同日、クウェートでイランによるものとみられるミサイルとドローンの攻撃が発生したと、米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。クウェート内の米軍基地が標的になったとの分析も出ている。
こうした中、トランプ米大統領は、イランが保有する高濃縮ウランを中国やロシアへ移送させることは認めない考えを明確にした。数日前までは、イラン国内での廃棄や親イラン国家への移送を容認する姿勢を示していたこととは対照的だ。また、イランによるホルムズ海峡の管轄権も認めない考えを強調した。
イラン核能力の抑制、ホルムズ海峡の開放と管理、米国による対イラン凍結資産解除など、交渉の核心争点を巡る双方の隔たりは依然大きく、MOU締結は容易ではないとの見方が出ている。
●米、2日ぶりにイラン攻撃再開、イランも報復
ロイター通信などによると、米軍は27日、ホルムズ海峡の自由航行を脅かしたとして、イランの攻撃用ドローン4機を撃墜した。さらに、5機目のドローン発進を試みた南部港湾都市バンダルアッバスの地上管制施設も攻撃した。
28日未明には、バンダルアッバス東部で3回の爆発音が発生し、その後イラン防空網が稼働したと、イラン国営放送IRIBなどが報じた。米軍攻撃の影響とみられる。ただ、今回の米軍の対応は限定的であり、イランとの停戦維持を目的としていたと米当局者がCBSに語った。
米軍は25日にも、ホルムズ海峡周辺で限定的な空爆を実施した。当時、中東を管轄する米中央軍は、海峡への機雷敷設を試みたイラン船舶とミサイル発射台を自衛権の観点から攻撃したと説明した。
イラン革命防衛隊は28日、「こうした行為が繰り返されれば、さらに決定的な対応が続くだろう」とし、「その結果に対する責任は『侵略者』側にある」と反発した。クウェートで同日、米軍が使用するアリ・アルサレム空軍基地がイランのミサイル攻撃を受けたとみられると、ロイター通信が報じた。クウェート軍もXで、「クウェート防空網が現在、敵対的なミサイル・ドローン攻撃に対応している」と明らかにした。
ただ、革命防衛隊も交渉決裂を示唆するようなメッセージは出しておらず、交渉チャンネル自体は維持されているとの見方もある
●トランプ氏「中ロへのウラン移送認めず」
トランプ氏は27日、ワシントンのホワイトハウスで開かれた閣議で記者団に対し、イランとの終戦交渉は満足できる水準ではなく、長期化する可能性もあるとの認識を示した。特に、イランが保有する60%高濃縮ウラン440キロを中国やロシアへ移送する案について問われると、「快くない」と述べ、反対の立場を明確にした。
また、終戦合意の見返りとして制裁緩和を提案したことはないとも強調した。トランプ氏は合意の条件について「制裁の緩和や資金提供に関しては一切話していない」とし、「彼らが適切に行動し、正しいことをすれば、彼らの資金を使えるようにする」と語った。
トランプ氏は、交渉が順調に進まなければイランへの攻撃を継続する可能性にも言及した。「もしかすると、われわれは戻って完全に終わらせなければならないかもしれないし、そうでないかもしれない」とし、「今でもイランとそれなりの合意は可能だが、『偉大な合意』ではないかもしれない。偉大な合意でなければ、われわれは合意しない」と付け加えた。
さらに、イランと隣国オマーンがホルムズ海峡を統制する合意を受け入れる意思があるかとの質問には、「ホルムズ海峡は国際水域であり、誰も統制できない」と線を引いた上で、「われわれ(米国)が監視するが、誰にも統制はさせない」と述べた。
ホワイトハウスは同日、イラン国営メディアが報じたMOU草案について、「完全な捏造」だとして否定した。イラン側は、草案に米軍のイラン周辺駐留兵力の撤収や、イラン港湾に対する逆封鎖の解除などが盛り込まれていると報じた。また、イランがホルムズ海峡を通過する各国民間船舶の航路の指定・管理を担い、オマーンがこれに協力する内容だとも主張した。
柳根亨 noel@donga.com






