
三星(サムスン)電子が買収してから10年を迎えたハーマンが、同社内の中核企業として定着した。将来の車載電装市場を見据えて買収を決断した李在鎔(イ・ジェヨン)会長の戦略が、10年ぶりに「売上2倍」という実績で証明されたとの評価が出ている
22日に三星電子が明らかにしたところによると、ハーマンは昨年、売上15兆7833億ウォン、営業利益1兆5311億ウォンと過去最高を更新した。買収初年の2017年(売上7兆1034億ウォン、営業利益574億ウォン)と比べると、売上は2倍以上、営業利益は約26倍に拡大した。営業利益率も9.7%と10%に迫り、収益性も高まった。
李会長は三星の将来成長分野として車載電装事業を位置付け、2016年11月にハーマン買収を決断した。約9兆4000億ウォンに上る投資は、韓国企業による海外M&Aとして当時最大規模で注目を集めた。
三星電子はハーマン買収後、オーディオ事業の競争力を維持するとともに、車載電装事業を拡大し質的成長を進めてきた。現在、ハーマンの売上の65~70%は車載分野が占める。特に高付加価値の中核部品であるデジタルコックピット(デジタル化された自動車の運転空間)とカーオーディオ市場で高いシェアを誇り、世界1位を維持している。
背景には三星電子との技術連携と積極的な追加M&Aがあるとみられる。ハーマンのハードウエア設計力に、三星電子の5G通信網、車載半導体(エクシノス・オート)、スマートシングスのプラットフォームなどが一体となって結合したということだ。円滑なオンライン接続から迅速な車両制御まで、世界最高水準のコネクテッドカー環境を実現したことが中核的な競争力として作用した。
大規模な追加投資も成果を上げた。ハーマンは昨年12月、15億ユーロ(約2兆6000億ウォン)を投じ、自動運転向けスマートカメラモジュールで世界1位のドイツZFの先進運転支援システム(ADAS)事業部を電撃的に買収した。20年以上にわたり蓄積された膨大な自動運転データを取り込み、統合運用能力を一気に引き上げた。あわせて、ハンガリーに1億3118万ユーロ(約2300億ウォン)を投資し、自動運転研究開発(R&D)センターおよび生産拠点も大幅に拡張した。これに先立ち、2022年にはドイツのARヘッドアップディスプレイ企業アポステラ、2023年には米国の音楽プラットフォーム企業ルーンを相次いで傘下に収め、車載ソフトウェア能力も継続的に強化してきた。
オーディオ名門としての地位も一段と強固になった。昨年5月、5000億ウォンを投じて米マシモのオーディオ事業部を買収し、ハイエンドオーディオの代名詞であるバウワース・アンド・ウィルキンス(B&W)など、プレミアムブランドを多数確保した。今年、誕生80周年を迎えた看板ブランド「JBL」がブルートゥーススピーカー市場で首位を守っていることとも相まって、大衆的な中低価格ブランドから超高級ラグジュアリーラインまで網羅する、唯一無二の製品ポートフォリオを構築した。
財界関係者は「ハーマン買収は、韓国企業による海外M&A史上、最も成功した事例の一つだ」とし、「先端電装ソリューションとハイエンドオーディオを網羅する事業構造を完成させただけに、今後さらに大きな業績拡大が期待できる」と語った。
イ・ドンフン記者 dhlee@donga.com






