
「母さんが悪かった。苦労ばかりさせて…会いたくてどうしたらいいの」。
25日午前8時半、大田(テジョン)忠南(チュンナム)大学病院の葬儀場には、悲痛な嗚咽と泣き声が交錯した。20日に大徳(テドク)区で発生した安全工業火災の犠牲者14人のうち、チェ氏の出棺式が営まれた。遺族は遺影を手で何度もなでながら「親より先に逝く子がどこにいるのか」と泣き崩れた。火災前日も体の不自由な父を助け、夕食を共にしたチェ氏は23日、遺体となって家族のもとに戻った。父は二度と触れられない息子に向かって「よく頑張ったな。さあ行こう」と語りかけた。小学生の長男は父の写真に手を重ね、「パパ、私ここにいるよ」と声を上げて泣いた。
同日午前11時半には乙支(ウルジ)大学病院でも別の犠牲者の出棺が行われた。残る犠牲者のうち身元が確認された人々の葬儀も順次行われる予定だ。
「安全工業」が過去5年間、職場内いじめの申告など勤労基準法違反をめぐり、計5回の通報を受けていたことが確認された。与党「共に民主党」の金周暎(キム・ジュヨン)議員が雇用労働部から提出を受けた資料によると、昨年5月には、安全工業が職場内いじめの通報を受けながらも調査を行わなかったとの申告があった。2021年6月と11月には、地位を悪用して労働者に身体的・精神的苦痛を与えたとの申告が寄せられていた。
ソン・ジュファン「安全工業」代表の暴言も問題となっている。韓国労働組合総連盟・安全工業支部などによると、ソン氏は事故後の幹部会議で「誰が(記者に)会っているのか言え」「遺族だろうが何だろうが」などと暴言を浴びせたとされる。ソン氏は重大災害処罰法と産業安全保健法違反の疑いで立件されている。当局は同法適用に向けた資料確保と関係者の供述聴取を進めている。
火災原因の究明には時間がかかる見通しだ。出火元とみられる東館建物が崩壊したうえ、内部を撮影した防犯カメラがなかったためだ。警察や国立科学捜査研究院、安全保健公団など9機関が参加する現場鑑識は5日目に入った。2022年9月の大田現代(ヒョンデ)アウトレット火災は発生から3カ月後、2024年6月のアリセル工場火災も約2カ月後に原因が判明した。
事件を捜査している大田警察庁の専従チームは23日、安全工業本社とテファ工場で職員の携帯電話9台や建築設計図面など256点を押収し、フォレンジック分析を進めている。これまでに会社関係者など45人が事情聴取を受けたが、立件者は出ていない。警察は26日午前10時、この火災に関する初の説明会を開く。
金兌泳 live@donga.com






