
トランプ米大統領が27日、ソーシャルメディア(SNS)に韓国に対する関税率を25%へ引き上げる考えを示し、国内産業界に混乱が広がっている。昨年12月に対米関税率の引き下げが公式に発表され、多くの企業は今年の関税率を15%と見込んで経営計画を立てていた。仮に関税率が10%ポイント上乗せされれば、企業は国内生産台数の調整を迫られるなど、再び不確実性に直面することになる。財界では「政府が早急に米国と追加協議し、混乱を解消すべきだ」との声が強まっている。
●自動車「3~4兆ウォンの追加負担も」
27日に発信された「トランプのSNS」で、最も衝撃を受けたのは現代(ヒョンデ)自動車グループだ。現代自動車グループは昨年4月、25%の相互関税が課され、12月に15%へ引き下げられるまでの約7カ月間、米国市場で苦戦した経験がある。現代自動車と起亜(キア)は昨年第3四半期(7~9月)の業績発表の際、25%の関税の影響を直接受けた第3四半期だけで、両社合計で約3兆ウォンの追加コストが発生したと明らかにした。
投資業界では、対米自動車関税率が再び25%に引き上げられた場合、現代自動車の追加負担は3兆~4兆ウォンに達すると見ている。ダオール投資証券は、関税引き上げ時の両社の追加負担が4兆4000億ウォンに及ぶとの試算を示した。ナイス信用評価も昨年公表した報告書「自動車産業の展望」で、15%から25%に引き上げられれば、3兆1000億ウォンの追加負担が生じると予測している。米国市場で価格上昇を極力抑え売上高の減少を防いだ場合でも、営業利益は20%以上減少するとの見方が支配的だ。
現代自動車グループは現時点で具体的な対応には踏み出していない。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長と張在勳(チャン・ジェフン)副会長は、カナダの次世代潜水艦の受注事業を支援するため、カナダに出国している。現代自動車の関係者は「状況の推移を見守っている」と話した。
●医薬品にも波及「対策を」
トランプ氏が関税引き上げの対象として自動車とともに医薬品を挙げたことで、バイオ業界にも警戒感が広がっている。三星(サムスン)バイオロジクスやセルトリオンは、関税リスクを抑えるため米国現地工場を買収したが、生産規模は韓国内に比べて大幅に小さい。三星バイオロジクスの生産能力は、国内が78万4000リットルなのに対し、米国工場は6万リットルにとどまる。業界では「米国投資は投資として行い、関税は関税として払わされる状況だ」と不満の声も出ている。
現在、欧州と日本は医薬品関税を最大15%で合意しており、韓国にだけ25%が適用されれば価格競争で大きな不利を被ることになる。
家電業界も、対米関税率がさらに10%引き上げられれば、生産拠点を海外へ移すなど、サプライチェーンの再編が避けられないとみられる。蓄電池業界は北米に生産拠点を確保しており、直接的な影響は限定的だが、自動車輸出が減少すれば連続的な打撃を受ける可能性がある。
財界は、実際に関税率が引き上げられれば、韓国経済全体への影響も小さくないと懸念している。資本市場研究院は、米国が韓国産輸入品に25%の関税を課した場合、韓国の実質GDPは約1%低下すると予測した。米シティ銀行も「米国が韓国製自動車や半導体、部品などに25%の関税を課せば、韓国の実質GDPは0.2%減少する」との見通しを示している。
国内企業は迅速な対応の必要性を訴えている。財界の関係者は「米国が実際に関税を引き上げるかどうか確認できない中、さまざまな市場の噂が混じり、混乱が拡大している」とし、「政府が早急に事実関係を把握し、不確実性を最大限抑えることが重要だ」と話した。
李沅柱 takeoff@donga.com






