
三星(サムスン)電子が来月、人工知能(AI)半導体に搭載される高帯域幅メモリ(HBM)の第6世代「HBM4」の量産に入る。第4、5世代では競合に後れを取り苦戦したが、第6世代では「超格差」を掲げた勝負に出て、巻き返しを狙っているとの見方が出ている。
26日、半導体業界によると、三星電子は来月から、エヌビディア(NVIDIA)などの巨大IT企業向けに供給するHBM4の量産を開始する見通しだ。HBM4は、年内に投入予定のNVIDIA「ルービン」やAMD「MI450」など、最新AI半導体に採用される次世代HBMとなる。
現在、三星電子のHBM4は、性能面で業界最高水準に達しているという。データ伝送速度は毎秒11.7ギガビット(Gb)で、業界が求める10Gbを大きく上回る。前世代のHBM3Eの最高速度は毎秒9.6Gbだった。
高い性能は、製品を構成する各半導体を最高水準で実装した結果とみられる。HBMの下部でDRAMとグラフィックス処理装置(GPU)をつなぎ、頭脳の役割を果たすロジックダイには4ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)工程を採用し、主部品のDRAMには最新世代となる第6世代(1c、11ナノ級)を用いた。SKハイニックスのHBM4は、12ナノのロジックダイに第5世代(1b、12ナノ級)DRAMを組み合わせている。半導体は工程が微細になるほど集積度が高まり、処理速度や電力効率が向上する。
当初、業界では三星電子が無理な挑戦に踏み切ったとの見方も少なくなかった。HBM3、HBM3Eといった第4、5世代で競合に遅れを取る中、過度に先行した技術を導入すれば、性能を安定的に実現するのは難しいとの予測が相次いだからだ。特にロジックダイはファウンドリ(受託生産)技術が鍵を握るが、SKハイニックスがTSMCと連携したのに対し、三星電子は自社工程で対応するとして懸念を招いた。ファウンドリ分野では、TSMCが三星電子を上回るとの評価が一般的だ。
だが三星電子は、こうした懸念を覆し、HBM4の性能と歩留まり(良品率)を軌道に乗せ、顧客企業から評価を得ることに成功した。キム・ドンウォンKB証券リサーチ本部長は「三星電子のHBM4は、業界最高レベルの性能を実現するだろう」と話した。証券各社は、今年の三星電子のHBM市場シェアが、従来の約2倍となる30%台に拡大すると見ている。
NVIDIAが独走してきたAI半導体市場で、グーグルやブロードコム、AMDなどの競合が台頭していることも、三星のHBM4が注目される理由だ。業界関係者は「各社が、より高性能なHBMを活用して製品差別化を図ろうとしている」と話す。三星のHBM4は、グーグルの次世代AIチップであるテンソル処理装置(TPU)にも採用されると見込まれている。
パク・ヒョンイク記者 beepark@donga.com






