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北に飛んだ無人機、再発は防止し北朝鮮のペースには乗るな

北に飛んだ無人機、再発は防止し北朝鮮のペースには乗るな

Posted January. 12, 2026 10:30,   

Updated January. 12, 2026 10:30


北朝鮮は11日、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の談話を通じて、「明白なのは、韓国発の無人機が我が国の領空を侵犯したという事実そのものだ」とした上で、「たとえ民間団体や個人の仕業であっても、(韓国)当局が重大な主権侵害という挑発の責任から免れることはできない」と主張した。韓国国防部が前日、北朝鮮軍の「韓国無人機侵入」という主張に対し、「韓国軍は当該無人機を保有していない」とし、民間が運用した可能性を調査すると表明したことを受け、与正氏は「その発表に留意する」とし、反応を出した形だ。

いつもながら、与正氏の談話は暴言と嘲弄に満ちていた。今回はとりわけ得意満面に映る。北朝鮮軍総参謀部が前日、「韓国無人機による主権侵害の挑発」と主張すると、韓国国防部は即座に否定し、大統領府は国家安全保障会議(NSC)実務会議を開き、さらに李在明(イ・ジェミョン)大統領までが「軍・警合同捜査チームを構成し、迅速かつ厳正に捜査せよ」と指示したのだから、そう振舞うのも無理はない。韓国国防部が「北朝鮮を挑発・刺激する意図はない」と述べた点についても、与正氏は「延命のための賢明な選択と評したい」と皮肉った。

政府の対応は、一昨年10月に北朝鮮が「韓国無人機の平壌(ピョンヤン)上空侵犯」を主張した時とは180度異なる。むろん、対北ビラ散布や対南ごみ風船で鋭く対峙していた15カ月前のように、韓国政府が「北朝鮮政権の終末」などと強硬姿勢を取るわけにはいかない。平壌無人機作戦は、韓国軍の関与が明らかとなり、現在、一般利敵行為の疑いで司法の判断に委ねられている。軍事的衝突の危機を招かないよう、今回の北朝鮮の主張についても、政府による徹底した調査は不可欠だ。さらに、韓国側の民間の行為だったと確認された場合には、不必要な南北緊張を誘発しかねないという点で、同様の事態の再発を防ぐ安全装置の議論も求められる。

しかし、北朝鮮は、今回の無人機が民間用であることをすでに把握していたようにも見える。過去のように「主犯は大韓民国軍部」と断定せず、「韓国どもの挑発」との表現にとどめたからだ。近く開催される第9回労働党大会を前に、「敵対的な2国家」路線を固めるための対内宣伝とみるのが妥当だろう。にもかかわらず、北朝鮮の主張に過敏に反応する政府の姿勢は、野党から早くも「北朝鮮には自動的に低姿勢なのか」との批判を招いている。南北関係で針の穴ほどの突破口でも開こうとする政府の努力は理解できなくもない。しかし、過度に身を低くすれば、対話に導くどころか相手のペースに引きずられるだけだということを、過去の数多の失敗から学ばなければならない。