
年間の国防予算として約1千兆ウォンが投じられる世界最大の軍事大国・米国の兵器ラインアップに、韓国防衛産業企業が開発した装備が相次いで採用されている。これまで東欧や中東、東南アジアが主な輸出先だったK防衛産業の兵器が、米国へと市場を広げている。従来は艦艇や陸上兵器が中心だったが、最近では戦闘機に搭載される航空兵器システムにまで輸出分野が拡大している点が注目されている。
米航空機大手ボーイングは最近、自社の戦闘機F15にハンファシステムが開発した大型多機能表示装置(ELAD)を搭載することを決めた。ELADは、従来アナログ計器盤に個別表示されていた各種の飛行・戦闘情報を一つの画面に統合して表示する先端航空電子装備だ。ボーイング側は、「単なる航空機部品ではなく航空電子装備を韓国から供給を受けるのは今回が初めてだ」と説明した。
K防衛産業の主力輸出品である自走砲システムも、米国が導入を検討している韓国防衛装備の一つだ。米陸軍が主導してきた射程延長型自走砲(ERCA)の開発計画が耐久性などの性能基準を満たせず中止となり、代替案としてK9自走砲が候補に浮上した。現在、米軍は自ら開発してきた長砲身技術をK9自走砲に適用できるかどうかを検討していると伝えられている。
トランプ米大統領が今月22日(現地時間)に「黄金艦隊」建造計画を発表したことで、韓国の造船企業が米国の艦艇建造事業に直接参入できる道も開かれた。HD現代(ヒョンデ)やハンファに加え、三星(サムスン)重工業までが米防衛造船企業との協業を通じて、米艦艇建造事業に進出できるとの見方が出ている。米海軍は艦艇現代化事業のため、来年度予算として474億ドル(約68兆4700億ウォン)を要請した。長期的には現代化プロジェクト全体で計1兆ドル(約1445兆ウォン)を投入するとの見通しも現地で示されている。
特にハンファは、トランプ氏が「良い会社」と言及し、フリゲート艦を共同生産すると発言した経緯から、米艦艇建造事業への取り組みを加速させる方針だ。造船業界では、ハンファが米国に保有するフィリー造船所が、軍艦建造に必要な施設保安認証(FCL)の申請準備に入っていると見ている。
HD現代も米海軍艦艇建造事業の中核パートナーと評価されている。米海軍は新型フリゲート艦を建造する「リード造船所」に、米防衛大手ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)傘下のインガルス造船所を選定した。HD現代は今年4月、HIIと技術協力および共同建造のパートナーシップを締結し、次世代軍需支援艦を共同建造することで合意している。このため、HIIがフリゲート艦など戦闘艦を建造する際も、HD現代と協力する可能性が高いとみられている。
三星重工業も米艦艇建造市場に参入する可能性があるとの見方が出ている。三星重工業は米国のヴィガー・マリン・グループと覚書(MOU)を締結し、米海軍支援艦の整備・修理・オーバーホール(MRO)事業を共同で進めている。ヴィガー・マリンがポートランドに保有する「ヴィガー・スワン・アイランド」造船所で、米艦艇の改造やブロック製作が行われていることから、三星重工業と共同で米海軍艦艇建造事業に参画する可能性があるとみられている。
李沅柱 takeoff@donga.com






