
ソウル市は今年、秋祭り「オータムフェスタ」を初開催し、春・夏・秋・冬へと続く通年の祝祭体系を構築した。ソウル市傘下の文化芸術専門公共機関であるソウル文化財団は、オータムフェスタの企画から運営まで全般を担い、プログラム構成と現場進行を主導した。劇団代表で演出家として活動してきた後、今年1月から財団を率いているソン・ヒョンジョン代表に会い、財団の役割と今後の計画を聞いた。
――芸術家から行政家へ役割が変わったが。
「以前は芸術家個人により関心が大きかったが、今は財団代表として市民と公共を見なければならない。それでも芸術家の視点を維持し、行政が見落としてきた部分を補いたい。例えば、クアッド劇場は実験的演劇に、アルコ劇場は印象的な演出に向いているという特徴がある。また単に『補助金をいくらか』で芸術家を支援する方式から抜け出そうと努力している。芸術家を職人のように尊重し、その物語を読み取らなければならない。こうした趣旨で、10月から元老芸術家の生涯と作品世界にスポットライトを当てた『マスターピーストーク』を実施中だ。芸術界の巨匠の功績を記録し、後輩芸術家と共有するプログラムである」
――財団の役割をどう見るか。
「財団は列車のレールのような存在。芸術家が市民に向かってまっすぐ伸びていけるよう基盤を提供する役割を担う。芸術支援の死角地帯を減らし、市民の誰もが文化を享受できるようにすることが重要だ。世宗(セジョン)文化会館やソウル市響がすでに完成された芸術家を扱うとすれば、財団は成長段階の芸術家を支援し、未来のソウル文化を満たしていきたい」
――国際交流を強調している。
「グローバル文化活動そのものが国力となる時代だ。ソウルは文化で競争力を伸ばす都市であるべきだ。ソウルはすでにグローバル文化都市へ成長する条件を備えていると思う。そこで今年は途絶えていた国際交流の回復に集中した。光復80周年を迎え、カザフスタン高麗劇場と共同制作した公演『列車37号』が中央アジア3か国の巡回公演を成功裏に終えた。またソウル芸術賞歴代受賞作2編も欧州7か国で巡回公演を行い、国際交流の可能性を広げた」
――今後の祭り・国際交流計画は。
「来年は『Kアート』の魅力を本格的に拡広げる時期にしたい。今年40日間行われたオータムフェスタは、来年70日間、再来年100日間へと拡大する計画だ。国内外作品進出と交流を強化し、オータムフェスタを国際公演芸術プラットフォームへ育てたい。呉世勳(オ・セフン)市長の『同行魅力』哲学のように、市民が国内外の芸術家とともに呼吸する文化を作ることが目標だ」
――残り任期の重点課題は。
「就任以来『つなぐ』を核心キーワードにした。芸術でソウルと世界を結ぶ『グローバル文化財団』へ飛躍するという意味だ。そのために、都市・社会・技術・政策など多様な分野の専門家25人で構成された『政策諮問委員会』を発足させた。今後、この委員会と『ソウル国際芸術フォーラム』を中心に、グローバルな議論を生み出す機関になりたい」
ソン・ジンホ記者 jino@donga.com






