Go to contents

LG家電革新の原点、加山R&Dキャンパスが50周年 スタイラーやドラム洗濯機を生んだ拠点

LG家電革新の原点、加山R&Dキャンパスが50周年 スタイラーやドラム洗濯機を生んだ拠点

Posted December. 10, 2025 10:18,   

Updated December. 10, 2025 10:18


「技術的優位性を通じて先進的な製品をつくり、品質への信頼を確立して市場を切り開くことが、企業成長の核心だ」

LGグループ2代目会長の具滋暻(ク・ジャギョン)氏が研究開発(R&D)の重要性を強調して残した言葉だ。具氏が1975年に設立した国内初の民間企業総合研究所「加山(カサン)R&Dキャンパス」が、今月で設立50周年を迎えた。加山R&Dキャンパスは、洗濯機、冷蔵庫、スタイラーなど、これまでLGが市場を先導してきた製品を相次いで開発し、今日のLG家電を可能にした主要エンジンとして評価されている。

LG電子は8日、ソウル衿川区(クムチョング)の加山(カサン)R&Dキャンパスで、元・現役職員とともに50周年の行事を開催した。加山R&Dキャンパス設立当時の名称は「金星社(クムソンサ)中央研究所」だった。国内企業の大半が工場内の小規模な研究組織を運営していた時期だった。LGの関係者は「当時、労働集約的な生産方式では技術発展に限界があると判断し、体系的な研究拠点を整えるため研究所設立に乗り出した」と説明した。

加山R&Dキャンパスは設立後、1977年に電子式金銭登録機(POS)の国産化、1981年に電子式ビデオテープレコーダー(VTR)の国産化に成功し、成果を上げ始めた。特にVTRは、2万個以上の部品が集積された当時の最先端製品だった。VTRの国産化は、日本企業が独占していた世界家電市場で韓国企業の技術力が認められる契機となった。

1990年代からは、家電の新たな地平を開いた革新製品がここから次々と誕生した。1998年に発売されたDDモーターが代表的だ。この製品は世界で初めてベルトなしでモーターと洗濯槽をつなぎ、洗濯機の性能を大きく向上させ、エネルギー効率と耐久性を引き上げた。DDモーターを搭載した「LG トロム(TROMM)」は国内ドラム洗濯機の大衆化を導き、発売から10年で国内販売300万台を突破した。2016年には従来よりエネルギー効率を最大40%高めた国内初のデュアルインバーターエアコンが登場した。周囲の環境に応じて冷房を調整するインバーターを2基搭載し、希望する温度により早く、効率的に到達させる技術だ。LG電子はこの技術で米国最高権威の発明賞「エディソン・アワード」の最高賞を受賞した。

衣類管理機「スタイラー」も、加山R&Dキャンパスで生まれた。2011年に初めて発売された「LGスタイラー」は、衣類をクリーニング店に預けなくても家庭で手軽にケアできる機能を備え、爆発的な人気を集めた。そして現在では、生活に欠かせない家電としてその地位を確立している。


パク・ヒョンイク記者 beepark@donga.com