
最近対ドルウォン相場が1ドル=1470ウォンを超え、急激なウォン安ドル高が進む状況で、その原因の一つとして個人による海外株式投資が指摘され、個人投資家の間で反発が広がっている。政府と外為当局がウォン安の責任を国民に転嫁しているのではないかとの批判だ。
5日、韓国預託決済院によると、今年1〜11月の間に「ソハッケミ(海外株に投資する韓国個人投資家)」は、305億8,941万ドル(約45兆ウォン)規模の米国株を純買い越した。これは、昨年の年間純買い越し規模(105億4,500万ドル)の約3倍にあたる水準だ。10月の純買い越し額は68億5,499万ドル(約10兆ウォン)で、2011年に統計を取り始めて以来、過去最大となった。11月には純買い越し額が59億3,411万ドルへとやや減少したものの、依然として高水準を維持している。
外為当局は、こうした海外投資の急増がウォン安を招いているとの見方を示している。国内個人投資家が米株投資のために大量のウォンをドルへ交換して需要が急増し、ウォン安を進行させたという説明だ。韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は先月金融通貨委員会の直後に開かれた記者懇談会で、「内国人による海外株式投資が(金融市場を)主導する状況が懸念される」と述べ、「投資家の海外投資が流行のように過度に拡大している点を心配している」と話した。
当局が海外株式市場へ流れる資金を国内に誘導するため、海外株式の譲渡所得税を強化するのではないかとの見方も浮上している。具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官は先月、為替に関する記者懇談会で、海外株式の譲渡税強化の可能性について問われ、「現段階では検討していない」としながらも、「政策というものは、状況が整えばいくらでも検討対象になり得る」と述べた。
ソハッケミたちは、一様に「納得できない」と不満を示している。投資家として合理的な判断をしているだけなのに、政府が政策失敗の責任を個人に転嫁しているという主張だ。毎月ナスダック100指数に連動する上場投資信託(ETF・QQQ)に積立投資している自営業者のイ氏(38)は、「海外留学のようにドルが一方的に流出するのとは違い、海外株式投資は売却すればドルが国内に戻ってくるではないか」とし、「むしろ外貨を稼ぎ、利益に対する正当な税金まで払っているのに…」と不満を吐露した。
数年間にわたりエヌビディア株を買い集めている会社員のパク氏(43)は、「海外投資は、AI時代の到来で今後雇用がどう変わるか分からない状況に備えるための、一種のヘッジだ」と述べ、「国民年金も企業もみな米国への投資を増やしているのに、なぜ個人投資だけが問題視されるのか理解できない」と話した。
海外株式や資産運用などを扱うオンラインコミュニティでは、「政府が国際通貨基金(IMF)の通貨危機の原因を国民の浪費に求めた当時のように、ウォン安の責任をソハッケミに押し付けている」と批判する声も上がっている。
専門家らも、個人の海外投資をウォン安ドル高の主因とみなすのは行き過ぎだと指摘する。ソハッケミが要因の一つになり得ることは事実だが、韓米間の政策金利逆転の長期化による資本流出、国民年金による海外株式比率の拡大など、複合的な影響が重なっているという説明だ。特に、韓米通商交渉以降、対米投資が増加することを見込み、輸出で得たドルをウォンに両替せず保有する企業も増えている。
ホン・ソクホ記者 will@donga.com






