
三星(サムスン)電子は2日、新しいスマートフォンのフォームファクター(モバイル機器の形態)として二度折る「ギャラクシーZトライフォールド」を公開した。昨年、中国ファーウェイが世界初の二度折り三段フォルダブルスマートフォン「メイトXT」を発売後、耐久性をめぐる議論が起きたが、三星が1年余りで耐久性と性能を武器にした新製品を投入した形だ。三星電子は同日、トライフォールドを紹介し、「職人精神を込めた」と明らかにした。
●タブレットとスマートフォン双方の利点を凝縮
2日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の「三星江南(カンナム)」で発売前のトライフォールドを実際に触ってみた。トライフォールドは3枚のディスプレイを繋いだ構造で、折り畳んだ状態では従来のフォルダブルフォン「ギャラクシーZフォールド7」と同じ6.5インチ(164.8ミリ)だが、広げると10インチ(253ミリ)に拡張される。折り畳まれた端末の右側画面(カメラレンズ面)、左側画面を順に開くと10インチの内部ディスプレイが現れる。ギャラクシータブS10ファンエディションのディスプレイが10.9インチなので、画面面積はタブレット並みと言える。三星電子MX事業部スマートフォンPPチームのカン・ミンソク副社長は、「タブレットはポケットに入らないが、トライフォールドは消費者がどこでも持ち歩ける大画面だ」と説明した。
トライフォールドの重量は309グラムで、フォールド7(215グラム)と比べても大きな差は感じられなかった。開いた状態でのパネルの厚さは3.9ミリ、画面を全て折り畳んだバー形状では厚さが12.9ミリ。二度折りバーの形態にしてジーンズのポケットに入れてみても、携帯性はフォールド7と大差なかった。
トライフォールドは、メインディスプレイ保護のため画面両側を内側に折る「インフォールディング」構造で設計された。左画面を先に折り、その後右画面を折るのが原則だが、故意に右画面を先に折ると端末が通知と振動で誤りを知らせた。
●強化されたマルチタスク能力
トライフォールドは、マルチタスクと生成型人工知能(AI)機能を最大化できるよう設計された。端末を開いた状態で最大3つのアプリを並べて表示するマルチウインドウ(複数のウィンドウを同時に表示すること)機能や、下段のタスクバーを活用したパソコン並みの作業環境を備えている。ユーチューブ動画を再生しながら記事を読み、メッセージも送れる。英語サイトを開き、三星の自動翻訳機能を利用し、左側に原文、右側に韓国語の翻訳文を同時表示することも可能だった。
搭載されたモバイルプロセッサ(AP)は、「ギャラクシー用スナップドラゴン8エリートモバイルプラットフォーム」で駆動される。2億画素の広角カメラ、これまでのギャラクシーフォルダブルシリーズの中で最大容量の5600mAhのバッテリーを搭載し、最大45Wの超高速充電も対応。20万回のマルチフォールディングテストに合格し、5年間毎日100回折り畳んでも耐えられる水準だ。
韓国国内での発売日は今月12日、価格は359万0400ウォン。三星電子のイム・ソンテク韓国総括副社長は、「使ってみれば、他社製品との差別点が鮮明に見えるはずだ」と述べた。
イ・ミンア記者 omg@donga.com






