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香港高層火災の怒り、当局「悪意ある企ては厳罰」 反政府抗議への発展を警戒

香港高層火災の怒り、当局「悪意ある企ては厳罰」 反政府抗議への発展を警戒

Posted December. 01, 2025 09:01,   

Updated December. 01, 2025 09:01


先月26日に発生した香港大埔地区の宏福苑にある高層マンション火災の惨事をめぐり、政府の責任を問う声が強まるなど、波紋が広がっている。香港当局は、7日に控えた立法会(議会)選挙を前に悪化した世論が、2019年の「香港民主化デモ」のような大規模な反中デモへと発展しないよう、警戒を強めている。

駐香港国家安全維持公署は先月29日の声明で、「今回の火災を利用し、反中攪乱勢力が騒動を起こそうと機会を伺っている」と明らかにした。香港内の反中勢力が社会分裂を扇動し、香港当局への憎悪をそそのかしているという。さらに「香港を再び送還法反対デモの混乱へと引き戻し、暗黒の時代を再現しようとしている。悪意ある企てや卑劣な行為は必ず道徳的非難と法的厳罰を受けることになる」と警告した。

これに先立ち、鄧炳強(クリス・タン)香港保安局長は先月28日の記者会見で、一部の勢力による政府の火災対応をめぐるデマが拡散され、民心を混乱させていると主張した。中国国営メディア「グローバルタイムズ」も29日、香港メディアを引用し、「火災現場で黒いマスクを着けて救助活動に参加する反政府勢力の残党が確認された」と報じた。

駐香港国家安全維持公署は、2020年施行の香港国家安全法に基づき、中国政府が香港に設置した国家安全担当機関で、犯罪を犯した香港市民を中国本土へ送還できるようにする「犯罪人引き渡し法(送還法)」の制定に反対するデモが、2019年の民主化運動へと発展したことが背景にある。

今回の火災の惨事をめぐり、政府責任の追及と制度改善を求めたオンライン請願の主導者が警察に逮捕されたと、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)が先月29日報じた。「マイルス」という名前を使っているという男性と所属団体は、△監督の不十分さなど政府責任の追及、△独立機関による調査、△工事監督制度の再検討、△被災住民支援――の4項目を要求する請願書をオンラインに掲載し、同日午後までに1万人以上が署名していたが、現在はアクセスが遮断されている。

一部では、先月29日の火災現場で被災者を支援していた数百人のボランティアが当局によって解散させられたとの主張も出ている。SCMPは「政府の支援チームとボランティアの間で対立があり、政府チームが被災者支援より写真撮影に集中するとの不満の声があがった」と報じた。香港当局は、ボランティアの強制解散を否定し、「NGOは政府にもっと協力すべきだ」と主張した。


金喆仲 tnf@donga.com