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米最高裁判事ら「関税は議会権限、承認なしに無制限賦課は疑問」

米最高裁判事ら「関税は議会権限、承認なしに無制限賦課は疑問」

Posted November. 07, 2025 09:38,   

Updated November. 07, 2025 09:38


トランプ米大統領の関税政策の適法性を判断する米連邦最高裁の初弁論で、保守系判事らも適法性に懐疑的な立場を示した。最高裁判事9人のうち6人が保守系とはいえ、同日の反応を考えると、トランプ政権の最終勝訴を断言することは難しいとの見方が出ている。

5日(現地時間)、ワシントンの連邦最高裁庁舎で行われた今回の審理で、保守派のジョン・ロバーツ最高裁長官は、トランプ氏が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を関税賦課の法的根拠としたことについて、「緊急事態における外為規制権限を『全ての国の全ての製品に対して、いかなる金額でも、いかなる期間でも』関税を課す権限と解釈するのは正しくない」と指摘した。

トランプ氏が1期目に任命した保守系のニール・ゴーサッチ、エイミー・バレット両判事も疑問を呈した。ゴーサッチ氏は「議会が外国貿易を規制したり、戦争宣言の責任までを全て大統領に委ねるのを防ぐ根拠は何か」と問い返した。憲法が議会に付与した権限を大統領が過度に侵害することを警戒すべきだという趣旨だ。

バレット氏も「これまでどの大統領も『輸入規制』という文言を根拠に関税賦課権限を主張したことはない。議会が(関税などに関して)全面的な委任をしたとみるのは難しい」と述べた。

政府側を代弁するD・ジョン・サウアー司法長官代理は、関税が無効となればトランプ政権が世界各国と結んだ貿易合意を元に戻さなければならないとし、「米国はより攻撃的な国家から容赦ない貿易報復を受けるだろう」と主張した。

またサウアー氏は、急増した貿易赤字に対処するためにも関税が必要だと主張した。しかし進歩系のエレナ・ケーガン判事は「議会が制定した全ての関税関連法を見ると、輸入税、関税、税金などの関連用語が明確に含まれている。ところがあなたが依拠する法律にはそのような言葉が全くない」と反論した。

最高裁の最終判決は、早ければ年末ごろに出る見通しだ。適法ではないとの判断が出れば、トランプ政権は関税によって得た各種税収を返還しなければならない。この場合、トランプ氏は別の法律を用いて関税政策を維持しようとする可能性が高い。ただし正当性に打撃を受けるため、政策の推進力は弱まる可能性がある。

今回の判決は、トランプ政権が主要貿易国に課した相互関税、麻薬フェンタニルの流入を理由に中国・カナダ・メキシコに課した「フェンタニル関税」などに影響を与える見通しだ。米国との貿易協議を通じて15%の関税を支払うことで合意した韓国も、判決の影響圏内にある。


申晋宇 niceshin@donga.com