
今年の外国為替市場の最終取引日(12月30日)まで6営業日を残す中、年平均のウォン相場が通貨危機後28年で最もウォン安の水準に達するとの見方が出ている。政府はこうしたウォン安基調を抑えるため、残る期間で年末の終値為替相場を可能な限り防衛する方針を立てたとされる。国民年金の大規模な為替ヘッジに加え、輸出企業が防衛戦に加わるかどうかが、年末の終値を左右するとみられる。
韓国銀行(韓銀)によると、年初から今月19日までの対ドルウォン相場の平均は1ドル=1421.16ウォンだった。通貨危機直後の1998年の平均(1ドル=1394.97ウォン)を26.19ウォン上回る。19日の昼間取引の終値は1ドル=1476.3ウォンで、足元の流れが続けば今年の年平均は1ドル=1420ウォン台で固まる公算が大きい。
政府と韓銀は先週、外貨流動性規制を緩和してまで市場にドルを供給する策を打ち出したが、市場の反応は鈍かった。19日に小幅にウォン高が進んだが、20日の夜間取引を1ドル=1478.0ウォン(午前2時基準)で終え、再びウォン安に転じた。
政府は、ウォン安に賭ける市場の期待を抑え込むため、年末の市場閉場を前に総力戦に出るとみられる。年末の終値は、ドルに敏感な企業や金融機関の負債比率など財務健全性に大きな影響を及ぼすほか、来年上半期(1~6月)の為替と物価の方向性にも少なからぬ影響を与える。昨年12月30日には対ドルウォン相場が1ドル=1472.5ウォンで引け、1997年末(1695.0ウォン)以来27年ぶりのウォン安となり、市場の警戒感を強めた。
こうした中、国民年金が韓銀との外為スワップを活用し、大規模な為替ヘッジに踏み切るとの観測が出ている。外為スワップは、投資にドルを必要とする国民年金が韓銀にウォンを預け、ドルを受け取る仕組みで、為替市場での直接的なドル買いを避け、ドル需要を抑える効果がある。先月末、政府は国民年金を含む「4者協議体」を発足させ、為替安定策を本格化。今月16日には、国民年金と韓銀が650億ドル規模の外為スワップ契約を来年末まで1年延長することで合意した。
韓銀のユン・ギョンス国際局長は19日、「国民年金との外為スワップが一部再開されたのは事実だ」としたうえで、「国民年金が為替ヘッジを柔軟に運用すれば、それに伴いスワップ取引量が増えると見込まれる」と話した。
政府の働きかけを受け、今週にも輸出企業が保有するドルが市場に放出されるとの見方もある。金容範(キム・ヨンボム)大統領室政策室長は18日、国内企業上位7社の関係者を招集して緊急の為替懇談会を開き、迅速なドル売却への協力を要請した。
イ・ホ記者 ホン・ソクホ記者 number2@donga.com






