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韓中「戦略的意思疎通を強化」 関係改善への糸口

韓中「戦略的意思疎通を強化」 関係改善への糸口

Posted November. 03, 2025 08:12,   

Updated November. 03, 2025 08:12


李在明(イ・ジェミョン)大統領と中国の習近平国家主席は1日に行われた初の首脳会談で、韓中関係の改善に向けて戦略的意思疎通を強化することで合意した。両首脳は総額70兆ウォン規模の通貨スワップを締結し、韓中自由貿易協定(FTA)第2段階交渉を加速させる方針も確認した。米中戦略競争と反中感情の拡大で最悪の局面にあった韓中関係が、習氏の11年ぶりの国賓訪韓を機に回復軌道に乗る可能性があるとの見方が出ている。ただし、韓国の原子力潜水艦計画への懸念が首脳会談でも取り上げられるなど、韓中関係の新たな変数になるとの指摘もある。

習氏は会談の冒頭発言で「中韓は引っ越すことのできない重要かつ近い隣人であり、切っても切れない協力パートナーだ」と強調した。中国中央テレビによると、習氏は戦略的意思疎通の強化、経済協力など利益の結びつき強化、国民感情の改善を通じた民心交流の促進、多国間協力を通じた平和発展を提案したという。同日の公開発言の中で「協力」という言葉を9回にわたって繰り返した。習氏は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権当時の2022年11月の首脳会談でも戦略的意思疎通の強化を提案したが、その後韓中関係が急速に悪化し、高位級の定例対話などは立ち消えとなっていた。

李氏は「現在、韓中間の経済協力構造が垂直的な構造から水平的な協力構造へと変化している状況で、両国をより互恵的な構造へ発展させていかなければならない」と強調した。韓中両国は通貨スワップ契約を延長し、韓中FTA第2段階交渉を念頭に置いたサービス・貿易交流協力の強化に関する覚書(MOU)も締結した。

同日の会談で李氏は、原子力潜水艦について核兵器ではなく通常兵器を搭載する防衛的性格の戦力であることを説明したと、政府関係者は明らかにした。中国側が懸念を示してきた原潜推進計画が首脳間の議題として取り上げられた格好だ。

北朝鮮の非核化をめぐっては温度差も見られた。魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は「(李氏は習氏に)北朝鮮の非核化に向けた中国の建設的役割を要請した」と説明した。これに対し「中国側は韓半島の平和と安定への協力の意思を示したが、対話再開には米朝対話が重要だとの認識を共有した」と伝えた。中国は最近、非核化については言及していない。

一方、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は1日、「慶州(キョンジュ)宣言」と「人工知能(AI)イニシアチブ」、「人口構造変化対応共同フレームワーク」を採択して閉幕した。APECがAIに関する共通ビジョンを盛り込んだ文書を採択したのは初めてだ。


申圭鎭 newjin@donga.com