
スペインの世界的建築家アントニ・ガウディ(1852~1926)が設計し、143年にわたり建設が続くバルセロナのサグラダ・ファミリア大聖堂が30日(現地時間)、世界で最も高い大聖堂として記録された。
英BBCなどによると、聖堂内の「イエス・キリスト」中央塔の一部が完成し、162.91メートルの高さとなった。これまで最も高い大聖堂は、1890年完成のドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州のウルム大聖堂(161.53メートル)だった。中央塔が数か月以内に完成すれば、サグラダ・ファミリア大聖堂の高さは172メートルに達する。ガウディは、自身の建築物が神が創造したバルセロナ・ムンジュイックの丘(173メートル)より高くなってはならないとの信念から、大聖堂の高さを172メートルと設計した。
1882年に礎石が据えられた同聖堂は、ガウディ没後100周年にあたる来年に全体構造と本館工事が完成する予定だ。精緻な外観工事や内部装飾作業を含め、最終完成までにはさらに約10年かかる見通しだ。ガウディ設計の難解さや資金難、スペイン内戦などにより完成時期は度々遅れた。近年はコロナ禍で工事が中断されることもあった。1926年のガウディ没時点では、設計された18基の塔のうち1基のみ完成しており、これは設計された工程の25%に相当した。
バルセロナ、ひいてはスペインを代表する文化遺産であり観光名所と知られ、2005年に聖堂の生誕の正面と地下の納骨堂がユネスコ世界文化遺産に登録された。教皇ベネディクト16世(2005~2013年在位)は、2010年にここを「聖堂」から「大聖堂」に格上げした。
未完成ながら独特の外観などで有名となり、観光客の足も絶えない。AP通信によると、昨年の訪問者は490万人で、そのうち15%は米国人だった。観光収入や信者の寄付金で建設が進められている。
ガウディは今年4月、バチカンにより列福候補(加冠者)に認定された。加冠者とは、バチカン審査で殉教事実などが認められた「神のしもべ」に付けられる敬称である。加冠者となった人のうち、一度の奇跡が認められると「福者」に、二度以上の奇跡が確認されると「聖人」としてそれぞれ列聖される。
キム・ボラ記者 purple@donga.com






