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「東倉里でエンジン試験の痕跡、追加挑発は間近」 38ノースが映像写真を分析

「東倉里でエンジン試験の痕跡、追加挑発は間近」 38ノースが映像写真を分析

Posted October. 23, 2025 08:28,   

Updated October. 23, 2025 08:28


北朝鮮が22日、李在明(イ・ジェミョン)政権発足後初の弾道ミサイル挑発に続き、最近平安北道鉄山郡東倉里(ピョンアンブクト・チョルサングン・トンチャンリ)の西海(ソへ)衛星発射場でエンジン実験を行ったことが分かり、偵察衛星発射など追加挑発が間近に迫っているのではないかとの見方が出ている。

米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」は21日(現地時間)、先月末と今月初めに撮影された商業衛星写真を分析した結果、「発射場の垂直エンジン試験台(VETS)周辺の複数の活動は、最近小型エンジンの燃焼試験が行われたことを示唆する」と伝えた。今月4日に撮影された衛星写真では、垂直エンジン試験台下部の排気ガス排出口付近にオレンジ色の残留物と燃焼痕が確認できるという。

オレンジ色の残留物は、エンジン燃焼試験の際に燃料と硝酸または四酸化二窒素などの酸化剤から発生したものであり、燃焼痕はエンジン排気ガスの冷却過程で生じたものとみられると、38ノースは分析した。

また、先月27日と29日、今月4日に撮影された衛星写真を比較したところ、垂直エンジン試験台周辺で移動式クレーンや物資を積んだトラック、各種ホースおよびケーブル類と推定される物品を載せたカートなどが移動した形跡も捉えられたという。

韓国国家戦略研究院ミサイルセンターのチャン・ヨングン・センター長は「北朝鮮が偵察衛星発射を準備している兆候と推定される」とし、「年内に発射を強行する可能性が高い」と述べた。北朝鮮は2023年11月、初の軍事偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1」を軌道に載せたと主張した後、さらに3機の衛星を追加発射すると公言したが、昨年5月に一度発射に失敗して以降、動きを見せていなかった。

韓国軍内外では、慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に韓米・韓中首脳会談の開催が予想される中、北朝鮮が存在感誇示のための武力示威に乗り出すとの見方が出ている。約5カ月ぶりの弾道ミサイル発射再開を皮切りに、米国など国際社会に核保有国であることを認めさせるために挑発の度合いを高めるのではないかとの懸念もある。

今月10日の朝鮮労働党創建80年の軍事パレードで公開された新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星20」の試験発射の可能性も排除できない。韓国軍当局者は「北朝鮮が『火星18』ICBMは軍事パレード公開から2カ月余りで試験発射に踏み切った前例を考えると、『火星20』も近く試験発射を試みるだろう」と見通した。

トランプ米大統領の訪韓などで世界の注目が集まる慶州APECの前後に、米本土を射程に収める新型ICBMを発射した場合、北朝鮮が中国・ロシアの黙認のもと「事実上の核保有国」地位を固め、対米核交渉で優位に立つことを狙っているとみられる。


尹相虎 ysh1005@donga.com