
現代(ヒョンデ)家3世である鄭基宣(チョン・ギソン、43)HD現代最高副会長が17日、会長に昇格した。1988年に鄭夢準(チョン・モンジュン)会長が政治活動のために経営の第一線から退いて以来、37年間続いてきたHD現代のプロ経営体制はオーナー経営体制に移行する。新たに誕生する鄭基宣体制は、造船業を中心にグループの成長エンジンの確保に注力するとみられる。
HD現代は17日、鄭基宣氏の会長昇格を含む2025年の社長団人事を発表した。鄭基宣氏は昨年11月、副会長から最高副会長に昇格してから約1年で会長の座に就いた。今回の人事は、12月1日にHD現代重工業とHD現代尾浦(クミ)の合併、来年1月1日にHD建設機械とHD現代インフラコアの統合を控え、合併シナジーを最大化するため例年より前倒しで行われた。米国造船業再建のための韓米造船協力事業「マスガ(MASGA)プロジェクト」など、変化する対外経営環境への対応も狙いとみられる。
鄭基宣氏は、鄭夢準・峨山(アサン)財団理事長の長男で、延世(ヨンセ)大学経済学科を卒業後、米スタンフォード大学で経営学修士号(MBA)を取得した。2009年に現代重工業企画室財務チームに入社、HD現代マリンソリューション代表を経て、現在HD現代とHD韓国造船海洋の代表取締役を務めている。
鄭基宣氏は、経営能力を何度も証明してきた。2016年、造船用部材専門企業HD現代マリンソリューションを設立し、時価総額11兆ウォンのグループ主力事業に育て、2021年には斗山(トゥサン)インフラコアの買収を主導し、建設機械事業をグループの中核事業に成長させた。今回の人事で、建設機械部門の中間持株会社であるHD現代サイトソリューションの共同代表も兼任し、低迷する建設機械事業の危機克服に取り組む。
HD現代の関係者は「鄭会長は最近、人工知能(AI)やデジタル革新、環境技術確保など将来の成長エンジンの確保に注力している。また造船業の再建を目指す米国との協力強化のため、米国内の主要関係者と積極的に会っている」と語った。
一方、1978年に入社、2019年に会長就任以来6年間HD現代を率いてきた権五甲(クォン・オガプ)会長(74)は名誉会長に推戴され、来年3月の株主総会をもって代表取締役を退任する予定。HD現代の新代表取締役には趙英哲(チョ・ヨンチョル、64)HD現代サイトソリューション社長が内定し、副会長に昇格して鄭基宣氏と共同代表体制で会社を率いる。
琴錫鎬(クム・ソクホ)HD現代重工業副社長(57)は社長に昇格し、イ・サンギュン副会長(64)とともに、HD現代重工業共同代表を務める。李副会長も今回昇格した。
HD現代は「今回の人事は、競争の激化と多様化する国内外経営環境の中で、新しいリーダーシップで新時代を切り開く意志を示すものだ」とし、「新旧経営陣の調和と協力を基盤に、世界最高の総合重工業グループへの飛躍の契機となる」と述べた。財界では、HD現代を皮切りに主要グループの年末人事が例年より早く本格化し、人事幅も大きくなるとの見方が出ている。
金在亨 monami@donga.com






