
京畿道議政府市(キョンギド・ウィジョンブシ)にあるマンションのエレベーター内で、下階の住民が上階家族に刃物を振り回しては自ら命を絶つ事件が起きた。
警察と消防当局によると、13日午前7時23分ごろ、議政府市民楽洞(ミルラクドン)のマンションのエレベーターから「刃物で刺された」との通報が入った。出動した救急隊は、40代の夫と妻、小学生の娘が負傷しているのを発見し、近くの病院に搬送した。夫婦は顔などに裂傷を負い、特に妻は出血が多かったが、命に別条はないという。娘は攻撃を受けなかったが、強いショックを受け治療を受けた。
出動した警察は、容疑者のユ氏(36)が犯行直後に自宅へ戻ったことを確認し、容疑者の自宅玄関を強制開放した。容疑者は犯行後、浴室で自傷して心停止の状態で発見され、病院に搬送されたが死亡した。
被害家族は当日朝、娘を修学旅行に送り出すために外出したところ、事件に遭ったとされる。エレベーターが下階で止まった際に容疑者が乗り込み、犯行が始まった。容疑者と夫の間で取っ組み合いになり、妻と娘は非常ボタンを押してエレベーターが中間階で停止し、扉が開くと先に逃げ出した。騒音を聞いて外に出た住民が、妻と娘を自宅に避難させ、直ちに119番に通報した。夫も後に続いて降り、階段を通じて外へ避難した。避難を手助けした住民は「早朝に『助けて』という叫び声が聞こえたので玄関を開けて被害家族を家の中に入れた。犯人とみられる人物がドアノブを回す音も聞こえた」と話した。
警察は、容疑者が被害家族と面識があった点から、無差別犯行ではないと見ている。近隣住民によると、両者の間には以前から騒音問題によるトラブルがあったという。ただし、騒音に関する公式な苦情や警察への通報記録はなかった。
警察によると、容疑者は単身で暮らしており、職業はなかった。さらに、容疑者所有の自宅が最近裁判所の任意競売にかけられていたことが分り、経済的事情が犯行に影響した可能性など動機の詳細を調べている。警察は容疑者の遺体を国立科学捜査研究院に解剖を依頼し、正確な死因や犯行当時の飲酒・薬物摂取の有無を確認する方針だ。
議政府=ソ・ジウォン記者 wish@donga.com





