
カンボジアで韓国人大学生のパクさん(22)が拉致・拷問の末に死亡した事件を受け、全国各地で同様の被害通報が相次いでいる。
警察によると、慶尚北道尚州(キョンサンブクド・サンジュ)では、8月にカンボジアへ出国した30代の男性が「2000万ウォンを送れば解放される」と家族に電話したのを最後に連絡が途絶えた。光州(クァンジュ)市でも4月と6月に「水泳インストラクターとして働けば、月1000万ウォンを稼げる」などの誘いを受けて出国した20代男性2人が行方不明となっている。このような通報は、済州道(チェジュド)で3件、全羅北道(チョルラブクド)で6件など最近全国で20件以上に上っている。
行方不明者の大半は、ソーシャルメディア(SNS)を通じて「高収入の海外求人」を持ちかけられ、出国したとみられる。警察は、現地の振り込め詐欺組織などが被害者を監禁・暴行して脅迫したとみている。死亡したパクさんも、同じ手口で誘い出されたとみられる。警察は、通報が実際に犯罪につながったかどうかを含め、カンボジア国内の韓国人被害者について全数調査を検討している。
警察や救援団体などによると、こうした被害が全国で発生しているのは、カンボジア現地の中国系巨大犯罪組織が韓国内の韓国人勧誘ブローカーを「下請け」のように動かし、韓国の若者を誘い出しているためとみられる。特に韓国人は経済力が高く、SNSも発達しているため、ターゲットになりやすいという。警察の関係者は「SNSやコミュニティーを利用した勧誘手口が横行しており、被害がさらに増える可能性が高い」と話した。
安東=ミョン・ミンジュン記者 済州=ソン・ウンボム記者 mmj86@donga.com






