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山岳界の伝説、メスナー氏「韓国人は山で多くを学んでいる」

山岳界の伝説、メスナー氏「韓国人は山で多くを学んでいる」

Posted September. 27, 2025 08:53,   

Updated September. 27, 2025 08:53


「山と自然を尊重する登山文化が、韓国でさらに発展することを期待します」

26日、蔚山市蔚州郡(ウルサンシ・ウルジュグン)の神佛山(シンブルサン)ふもとにある嶺南(ヨンナム)アルプス複合ウェルカムセンターで会った「山岳界の伝説」ラインホルト・メスナー氏(81)は、「9年ぶりに韓国を訪れ、最も驚いたのは若い人たちが山を深く愛し、山から多くを学んでいる点だ」と語った。

メスナー氏は、今年で10回目を迎える蔚山蔚州世界山岳映画祭(UMFF)の「蔚山蔚州世界山岳文化賞」受賞者に選ばれ、2016年に続き2度目の来韓となった。1944年にイタリアで生まれた彼は、1970年から1986年にかけて、世界で初めてエベレスト(標高8848メートル)を含む8000メートル級14座を無酸素で登頂した。2023年、ギネス側が登頂証明基準を厳格に適用して記録を取り消し、論争となったが、今も世界の登山家から「生きる伝説」と呼ばれている。

この日、メスナー氏は「生きる伝説といった表現より、『自然の先生』と呼ばれたい」と語り、登山精神とその遺産を保存し、登山文化を広めたいとの思いを示した。彼はイタリアでメスナー山岳博物館(MMM)ネットワークを設立・運営するなど、多彩な活動を展開している。

また韓国でも登山文化の定着には山岳博物館の建設が重要だと強調。「世界的な登山家を多く輩出した韓国で、『伝統アルピニズム』をはじめとする多様なコンテンツを保存・継承する博物館を作ることは極めて必要だ。数年以内に完成することを望み、その時は必ず再び訪れたい」と語った。

この日、メスナー氏は、2007年に世界で初めてヒマラヤ16座(14座+衛星峰2座)を完登した嚴弘吉(オム・ホンギル)ヒューマン財団常任理事(65)とも対面した。嚴理事はUMFF執行委員長としてメスナー氏を招いた。メスナー氏は「(嚴氏は)優れた登山家であると同時に、ネパールの子どもたちに夢と希望を与える素晴らしい人物だ」と語った。

メスナー氏は27、28日に自ら演出した映画「スティル・アライヴ(Still Alive — Drama am Mt. Kenya.)」「エベレスト―最後の一歩(Mount Everest — The Last Step)」を上映し、観客と交流する予定だ。UMFFは登山スポーツなどをテーマとした映画を紹介する国内唯一の国際山岳映画祭である。


蔚州=ト・ヨンジン記者 0jin2@donga.com