
2011年のアラブ圏における民主化運動「アラブの春」で、エジプトの市民革命を主導した人物の一人とされるアラー・アブドルファッターフ氏(44)が22日(現地時間)、恩赦を受けた。
この日、アルジャジーラ放送などの報道によると、軍人出身のエジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領は、国家人権委員会の提案を受け入れ、2019年から6年間服役していた民主化運動家アラー・アブドルファッターフ氏を含む人権活動家6人に対し、恩赦を決定した。アブドルファッターフ氏の家族は、X(旧ツイッター)に彼との再会写真を投稿し、「アラーが自由になった」と書き込んだ。
国際社会はこれまで、英国市民権を持ち、エジプト民主化運動の象徴的存在であるアブドルファッターフ氏の釈放を求めてきた。最近、エジプトは深刻な経済難により国内の不満が高まるとともに、イスラエルとパレスチナ間の仲介国としての役割も限界に直面し、外交的に孤立している。このため国際社会の批判を受け入れつつ、国家イメージの改善を図ったとの分析が出ている。
アブドルファッターフ氏は政治ブロガー出身で、2011年のエジプト市民革命の際、ホスニー・ムバーラク大統領(当時)の30年間の独裁を批判し、デモへの参加を呼びかけた。その後、2013年に政治状況が混乱する中、シーシー大統領がクーデターで政権を掌握すると、反対デモを行ったとして逮捕され、2015年に5年の刑を言い渡された。
2019年5月に釈放されたが、同年9月の反政府デモ中に虚偽情報流布の罪で再び逮捕され、2021年に裁判所で5年の刑を言い渡された。アブドルファッターフ氏は英国市民権を持っていたが、エジプト政府がこれを拒否したため、拘束中に英国の領事支援を受けられなかった。また、エジプト当局は、アブドルファッターフ氏が拘禁された2年間を刑期に算入せず、人権侵害との議論も生じた。
林賢錫 lhs@donga.com






