
「ロシアとベラルーシを侵略から防衛するために必要なあらゆる要素を備える」
ロシアのプーチン大統領は16日、軍服姿でロシアとベラルーシの大規模な合同軍事演習「ザーパト2025」を視察した。トランプ米大統領が英国国賓訪問を始めた日に合わせて軍服まで着用して視察に臨んだことから、北大西洋条約機構(NATO)に対してロシアの軍事力を誇示する狙いとの見方が出ている。また、欧米が求めるウクライナ戦争の停戦交渉に応じる意思がないことを示すメッセージとの分析もある。
一方、トランプ政権も同日、欧州の同盟国から資金10億ドル(約1兆4千億ウォン)を拠出させ、ウクライナに兵器を供与することを決定したと、ロイター通信などが報じた。バイデン前政権が承認した兵器供与はあったが、トランプ政権としては初めての支援となる。
● プーチン氏、半年ぶりに軍服姿
ロシア国営タス通信などによると、プーチン氏はベロウソフ国防相らを伴い、首都モスクワから東へ約400キロのニジニ・ノヴゴロドで行われた「ザーパト2025」を視察した。
軍服姿は3月、ウクライナとの主要な激戦地である南西部クルスク州を訪問して以来、約半年ぶりとなる。「ザーパト」はロシア語で「西方」を意味し、今回の演習がNATOを含む西側を標的にしていることを示すものだ。ベラルーシは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアへの協力を続けている。
プーチン氏は「今回の演習には10万人の兵士が参加し、1万の兵器と装備システムが動員された」と説明した。ベラルーシ政府は参加兵力を約7千人と公表しており、ほとんどがロシア軍であることがうかがえる。
3年半以上もウクライナ戦争を続けているロシアが、前線から遠く離れたニジニ・ノヴゴロドでの軍事演習にも大規模な兵力を投入したことは、ロシアの圧倒的な軍事力を誇示するものだと受け止められている。
● 米、欧州資金でウクライナ兵器支援
ロイター通信によると、コルビー米国防次官(政策担当)は最近、ウクライナへの10億ドル規模の兵器支援を承認した。これは、欧州の同盟国が資金を出し、ウクライナが米国製兵器を購入する「ウクライナ優先支援要件リスト(PURL)」制度に基づく。
具体的な支援内容は明らかにされていないが、最近ロシアがウクライナに大規模なミサイルや無人機攻撃を仕掛けていることから、防空システム関連の兵器が含まれているとみられる。米国とNATOはPURLを通じ、今後総額100億ドル(約14兆ウォン)規模の兵器を支援する予定だ。
イ・ギウク記者 71wook@donga.com






