政府は、「同一労働同一賃金」の原則を年内に労働基準法に明文化し、早ければ来年下半期から施行するという。現在は、「同じ事業内の同一価値の労働に対して、同じ賃金を支給しなければならない」という規定が男女雇用平等法にのみ明示されているが、これを労働基準法に拡大し、義務付けるという。同じ事業所で同じ仕事をする正規職と非正規職、下請け労働者間の差別をなくし、労働市場の二重構造の解消に拍車をかけるという趣旨だ。
韓国国内の労働市場は、大企業と中小企業、正規職と非正規職間の賃金および雇用安定性の格差で深刻な二極化問題に直面しているのが現状だ。昨年8月現在、非正規職労働者の賃金は正規職の54%の水準で、正規・非正規職間の賃金格差は7年連続で最大値を更新している。正規・非正規職、大・中小企業、元請け・下請け間の賃金格差がますます広がり、移動さえ容易ではなく、青年層は行きそうな職場がないと求職難を訴え、中小企業は仕事をする人を見つけられない求人難が同時に起きている。社会不平等を深化させ、労働生産性を蝕む二重構造を打破するには、同一労働間の処遇を狭めようとする努力が必要だ。
しかし、同一労働という概念自体が曖昧な上、客観的に測定するのが難しく、原則を強制すれば少なからぬ副作用が発生するという指摘が早くも出ている。政府は大規模な実態調査を通じて、職務・職級・勤続年数などにともなう賃金情報を国家統計で提供し、客観的判断基準を用意するという方針だ。しかし、下手な賃金情報の公開は、労使間対立はもちろん、労労間対立を煽るという懸念が少なくない。
何よりも、同一労働を評価するには、職務・成果中心の賃金体系への転換が欠かせない。雇用労働部の金榮訓(キム・ヨンフン)長官も、最近のメディアとのインタビューで、「職務級導入なしに、同一労働同一賃金の法制化は難しい」と話した。業務の性格と重要度、難度などにより賃金を算定する職務級制の導入が至急だという意味だ。
しかし、国内では成果に関係なく勤続年数によって賃金が上がる号俸制の慣行があまりにも堅固だ。労働者1000人以上の企業のうち63%が、依然として号俸制を施行している。過去の政府ごとに職務級制導入を持ち出したが、大企業労組の強硬な反対と根深い年功序列文化、画一的雇用慣行の壁を跳び越えることができなかった。一度入社すれば解雇が事実上不可能で、「年齢が官職」である韓国式年功序列制の賃金システムを破らない限り、労働市場の二重構造の解消は遠い。
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