
米国務省は12日(現地時間)、北朝鮮について「死刑執行、身体的虐待、強制失踪、連座制などの残虐性と強圧によって国家統制を維持している」と指摘した。第2次トランプ政権下で初めて発表された「2024年国別人権報告書」を通じて、北朝鮮の悲惨な人権実態に言及し、深刻な問題だと指摘した。
今回の報告書は25ページで、バイデン前政権が昨年発表した「2023年国別人権報告書」の53ページと比較して半分以下に減った。また、昨年明記された北朝鮮の政治体制などに対する直接的な批判も消えた。これについて、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との親交を強調し、直接対話の意思を示してきたトランプ氏の「コード」に合わせて、国務省が北朝鮮批判のレベルを調整したのではないかという指摘が出ている。
国務省は報告書で、「恣意的または違法な殺人、失踪、拷問、残酷で非人道的または屈辱的な待遇や処罰、非自発的または強制的な医学的・心理学的処置」などを北朝鮮の主要な人権問題として指摘した。また、恣意的な逮捕や拘禁、海外にいる個人に対する国家的抑圧、検閲など表現および言論の自由に対する深刻な制限、宗教の自由制限なども批判した。特に殺人に関しては「北朝鮮政府またはその代理人が恣意的または違法な殺人を犯したという多数の報告があった」と懸念を示した。
北朝鮮が非政府組織や脱北者の証言を引用し、中国で妊娠した状態で強制送還された女性、政治犯および障害を持つ妊婦、政府関係者および刑務官に性的暴行を受けた女性などに強制人工妊娠中絶を行ったとも報告した。また、北朝鮮政府がこのような人権侵害を犯した関係者を特定し、処罰するための信頼できる措置や行動を取っていないと指摘した。
一方、北朝鮮の官営メディアである朝鮮中央通信は13日、正恩氏がロシアのプーチン大統領と12日に電話会談を行ったと報じた。ロシア大統領府もプーチン氏が正恩氏と電話会談を行い、15日に予定されているトランプ氏との首脳会談に関する情報を共有したと伝えた。
北朝鮮は、2022年2月のロシアの侵攻で勃発したウクライナ戦争でロシアを支援している。特に昨年10月からはウクライナとロシアの激戦地であるロシア南西部クルスク州に約1万2千人の北朝鮮兵を派遣した。また、砲弾などの武器支援も続けている。これにより、北朝鮮とロシアの関係が軍事的に密着し、血盟として再構築されたという観測も流れている。ロシア大統領府は「プーチン大統領が金正恩氏に、ウクライナに侵略された国境地クルスク領土を解放する間、北朝鮮が提供した支援、北朝鮮軍が示した勇気と英雄心、献身などに感謝を表した」と明らかにした。
申晋宇 niceshin@donga.com






