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特検に出頭した「V0」金建希氏「私みたいに何でもない者が…」

特検に出頭した「V0」金建希氏「私みたいに何でもない者が…」

Posted August. 07, 2025 08:30,   

Updated August. 07, 2025 08:30


尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏が、特別検察官(特検)のフォトラインに立った。ドイツモータースの株価操作関与など溢れる疑惑にも関わらず、検察から「出張取り調べ」のみ受け、批判の対象になってから1年余り後の6日、特検に呼ばれた。前・現職の大統領夫人が被疑者として捜査機関に公に出頭したのは、憲政史上初めてのことだ。金氏は、「国民の皆さんに私のような何でもない者が心配をおかけし、心より申し訳ない」と話した後、取り調べ室に入った。

特検は同日、金氏を「被疑者」と呼び、ドイツの株価操作、明太均(ミョン・テギュン)氏および乾真(コンジン)法師の全成培(チョン・ソンベ)氏関連疑惑などを先に調べたという。これらの事件は、金建希特検が捜査している16件の容疑のうち、検察の既存の捜査と特検の追加取り調べの過程で関連証拠や供述が多数出て、容疑がある程度明らかになったと分類されるものだ。

金氏が自分を「何でもない者」と表現したのは、最大限自分を卑下した表現と見られるが、法曹界では、法的責任を減らすための防御戦略のための発言と解釈する見解もある。大統領の妻だったが、公職者の身分でもなかっただけに、乾真法師の請託、公認介入と関連した収賄や職権乱用容疑などは適用されないという主張のための計算が敷かれているという。金氏は出頭の際、9万ウォン台の国産カバンを手にしたことも、2度のブランドカバンの授受議論を意識した計算された行動と見られる。

しかし、金氏がどのように自分を説明しても、金氏が「尹錫悦」政府で権力の最頂点と言われたというのは周知の事実だ。金氏は、尹氏が「V1」と呼ばれる時、一つ先んじた「V0」と呼ばれたほどであり、セキュリティA等級の秘話フォンまで支給されて使った。

金氏のこのような非公式の威勢は、尹氏の放置と黙認を越え、庇護の中で進められたと見るべきだろう。尹氏は、金氏がディオールバックを受け取る動画が出てもかばっており、ドイツ事件で金氏の取調べを主張したソウル中央地検首脳部を突然更迭した。ドイツ事件で初めて告発された後、特検前までの5年4ヵ月間、金氏は一度もまともに取り調べを受けておらず、牽制装置もなかった。

その間、金氏に対する疑惑は幾重にも積み重なって、化膿して爆発する状況になった。特検が捜査することになる2022年の再・補欠選挙時の金映宣(キム・ヨンソン)前議員の公認介入、三扶(サンブ)土建の株価操作、「金建希執事」として知られた金イェソン氏が、大企業から投資を受けた184億ウォンなど数え切れないほどだ。

振り返ってみれば、金氏は今の状況を避ける道はあった。大統領選挙前に金氏は2021年、自分の履歴水増し疑惑について謝罪し、「夫が大統領になっても、妻の役割のみ忠実する」と言ったが、その時の誓いだけを守っていたらどうだったのだろうか。弾劾された大統領を見守っただけでも、韓国国民は気をもんでいた。しかし、今はその妻まであらゆる犯罪容疑で捜査を受けることになっている。これも国民に惨憺たる気持ちを抱かせる。