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韓国防衛産業がより高く飛躍するには

Posted July. 29, 2025 08:38,   

Updated July. 29, 2025 08:38


15年前のことだ。韓国防衛事業庁に行くためにタクシーに乗った。運転手と話をしているうちに話題が防衛産業に移った。私は「韓国の防衛産業には素晴らしい潜在力がある。ただ規制も多く、否定的な見方も多いため、潜在力を伸ばせていないのが残念だ」と言った。

運転手はカッと怒った。「あいつらは不正ばかりしている」と言った。「どんな集団にも過ちがないところはありません。叱責は叱責として、肯定的な部分は育てるべきではありませんか」と言うと、さらに大きな声で返された。「防衛産業と聞くと腹が立つんです」。結局、会話は中断した。その人も愛国心から言ったのだろう。当時は「パク・ヨンチャゲート」で国が騒がしかった時でもあった。その人が軍隊や防衛産業に良くない記憶を持っていたのかもしれない。

最近、経済が厳しい中で韓国で最も好調な業種が防衛産業だ。韓国経済の新たな成長エンジンとも言われている。今なら過去の防衛産業の不正を話題にしても「良い面を見ろ」という答えが返ってくるだろう。誰もが防衛産業の未来についてバラ色の展望ばかり語る。少し前まで防衛産業に注がれた非難と蔑視、あらゆる制約については誰も語らない。

不正に対する非難は正当だ。絶えず改善を努力してきたからこそ、今日の栄光があるのだ。しかし、防衛産業に対する過去の否定的な見方は、決して不正だけに限られてはいなかった。私は、韓国が防衛産業を始めた時、ライフルやヘルメットを作り始めた頃から聞こえていた自己卑下に満ちた話や、怪談に近い言葉を覚えている。これは何ということもない。開発者たちから過去の話を聞いていると、現在達成した水準が信じられないほどだ。

現在の成果を報告する評価は誰でもできる。歴史とは省察だ。称賛であれ非難であれ、過去の偏見と誤りについて省察してこそ、さらなる高みに進むことができる。