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トランプ大統領と李大統領の教育部

Posted July. 23, 2025 09:39,   

Updated July. 23, 2025 09:39


「大統領になったら、教育部を廃止する」

昨年秋の米国大統領選挙で、当時共和党候補だったトランプ大統領が遊説先でこう発言した時、苦笑してしまった。「地球の裏側でも教育部は公共の敵なのか」と思ったからだ。米国だけでなく、韓国でも教育部の廃止は選挙のたびに繰り返し登場する常連の公約だ。現在の教育への不満と不信の象徴である教育部は、「廃止」と口にするだけで国民にカタルシスを与える、一種の「ソーダ公約」となっている。

だからこそ、トランプ大統領の発言も最初は「世論を刺激するための手段」だと思っていた。しかし最近、トランプ大統領は本当に教育部を廃止しようとしている。大統領選挙期間中から米国教育に強い問題意識を示してきたトランプ氏は就任直後、行政命令を通じて法と制度が許す最大範囲で教育部を解体するよう指示した。

トランプ政権は教育部の主要な機能のうち、学生ローンは財務部、人材政策は労働部、障害のある学生への支援は保健福祉部、市民権関連は法務部に移管するという意思を明らかにした。また軍人家族の学生支援は国防部が、インディアン教育支援は内務部がそれぞれ担当するよう指示した。政策の賛否は別として、大統領が教育実務に相当な関心を持っていることを示している。

トランプ氏は「教育の権限は国ではなく、それぞれの地域社会と保護者が持つべきだ」とし、「教育部は非効率的で官僚的なので不必要な組織だ」と述べた。実際にトランプ政権は教育部に対して強力な構造調整を推し進めている。今年3月以降、教育部の職員約4100人のうち約1400人が事実上解雇され、休職中となっている。教育部の「公式廃止」は議会の議決が必要となるため容易ではないが、教育部を「実質的に解体」し、事実上廃止に等しい状態にする計画だ。

米連邦教育部は、障害のある学生、マイノリティ、低所得者層の学生に関する業務が大きな割合を占めている。そのため、廃止には反発も激しい。しかし、トランプ氏は効率性や自主性などを強調し、教育省の改革に強硬に取り組んでいる。

韓国はどうだろうか。米国とは違って、韓国の教育部は大学などの高等教育関連業務を主に担っている。しかし、教育部ホームページの「教育部紹介―組織図」のコーナーをクリックすると、教育部がいかに巨大な集団であり、さまざまな業務を細分化して多くの席を設けているかが一目でわかる。

小中高の生徒数が激減しているにもかかわらず、組織構造はベビーブーム時代と変わらない全国17の市道教育庁、176の教育支援庁、246の直属機関を見るだけでも、教育部がいかに肥大化しているかがよく分かる。さらに、「国家百年の計」を掲げて教育部の上に「屋上屋」ともいえる国家教育委員会まで新設した。まさに数の上では、最大規模の組織といえる。

しかし、教育部が生徒や保護者、教師が抱える問題に対し、意味のある解決策を提示したという評価は特にない。

このように変化と改善が切実な教育組織のトップに、李在明(イ・ジェミョン)大統領は小中高教育に対する理解に疑念があり、論文の重大な盗作疑惑もある李珍淑(イ・ジンスク)前候補を指名した。これに対して、新政権の教育政策への関心の欠如を示すものだという批判もある。

また、教育部長官は社会副首相も兼務するため、実務能力や専門知識に加え、一般の誠実な国民生活への理解と共感が不可欠だ。しかし、李前候補は2人の子どもを高額な学費がかかる米国の私立中高に通わせていた。子供を留学させることは自由だ。しかし、留学の過程とこれについての李氏の説明は、国民感情とはかけ離れていた。

教育長官に新た指名される人は、廉恥と能力を兼ね備えた人物であることを望む。教育への期待がすでに崩壊している韓国で、教育部にふさわしくない人物が再び長官に指名されれば、「教育部廃止」の声にさらに火をつけかねない。