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準備不足の長官候補と政策能力を検証しなかった国会

準備不足の長官候補と政策能力を検証しなかった国会

Posted July. 22, 2025 08:56,   

Updated July. 22, 2025 08:56


「まるで尹珍淑(ユン・ジンスク)元海洋水産部長官の人事聴聞会を見ているようだ」

李真淑(イ・ジンスク)副首相兼教育部長官候補の16日の国会人事聴聞会を見守っていた野党「国民の力」の関係者はこのように語った。李真淑氏が政策に関する質疑に対して「わからない」と答える姿が、2013年の朴槿恵(パク・クンヘ)政権当時、「手帳人事」論議の渦中にあった尹氏の聴聞会と重なって見えたという。尹氏は聴聞会で水産業・漁業に関する多くの質疑に対して笑いながら「よくわかりません」と答えて非難を浴び、就任10ヵ月で更迭された。

先週続いた李在明(イ・ジェミョン)政権の長官候補たちの人事聴聞会では、「補佐官パワハラ」「農地法違反」「論文剽窃」など数々の疑惑と論議の中、道徳性の検証に焦点が当てられた。このため、一部の長官候補の政策専門性の問題はあまり注目されなかった。

李大統領が李真淑氏の指名を撤回した背景には、道徳性問題だけでなく、専門性の問題も主な理由だったという。李真淑氏は聴聞会で小・中・高校の法定授業日数(190日)を尋ねられ、「正確にはわからない」と答えた。幼稚園と保育園の統合(幼保統合)の進行状況について尋ねられると、「統合は一応済んだ」から「統合は試みられた」「幼保統合の基本概念は出された」と答えが二転三転した。「幼保統合をどこが主管しているか知っているか」という質問には、「教育庁がやっている」「だから自治体がやっていた…」「教育部がやっているが、実施機関は教育庁」と迷走した。

結局、李真淑氏は指名を撤回されたが「運がなかった」と言うかもしれない。注目をあまり集めなかった他の聴聞会場でも似たようなことがあったが、大統領室は他の候補については任命する方針を示したからだ。

金栄訓(キム・ヨンフン)雇用労働部長官候補は、定年退職する労働者の割合を尋ねられ「正確な数値は知らない」と答えた。「賃金体系の改編なしに定年延長に成功した国はあるか」との質問には「そのことについてはよく知らない」と答え、「では関連する政府の研究結果は一つでもあるか」との問いにも「よく知らない」と答えた。定年延長は雇用労働部の核心的な課題だ。

権五乙(クォン・オウル)国家報勲部長官候補は、「政府組織法に記載されている報勲部長官の業務内容は何か」と尋ねられて答えられなかった。報勲部のスローガンについても「把握していない」と述べた。報勲対象者が何人いるかという質問には、資料を探した末にようやく答えた。自身の報勲専門性については「地域で出会ったタクシー運転手が独立有功者の遺族だったことがあった」と話した。

他の候補たちの人事聴聞会でも「知らない」という回答が溢れた。長官候補たちが見せた失望させられる姿だが、候補者だけを批判するのも後味が悪い。野党議員たちも回答の矛盾や穴を突く追加質問はせず、密度の低い列挙的な質問に終始した。一部の議員は政策質問だと言いつつ地域の陳情をそれとなく持ち込むこともあった。

国会の最も重要な機能は政府の監視であり、人事聴聞会はそのための強力な手段である。準備が不十分な長官候補が最大の問題だが、十分に準備しなかった議員たちも批判を免れない。双方が杜撰だった1週間の「見せかけだけの聴聞会」の結果は国民が負うことになった。