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債務免除という「酸素呼吸器」で延命する蟻地獄

債務免除という「酸素呼吸器」で延命する蟻地獄

Posted July. 10, 2025 08:15,   

Updated July. 10, 2025 08:15


李在明(イ・ジェミョン)大統領が城南(ソンナム)市長時代に、負債に苦しむ庶民を助けるために作ったのが「ジュビリー銀行」だ。50年ごとに奴隷を解放し、借金を帳消しにした聖書の中の禧年(ジュビリー)から名前を取った。李氏は4日、忠清(チュンチョン)圏の市民たちと会ってこれを紹介し、「文明社会で死ぬまで借金を負うのは悲劇だ」と述べた。ところが韓国では5年ごとに「負債の禧年」が訪れる。盧泰愚(ノ・テウ)政権から現政権まで、政権が変わるたびに農家の負債免除、信用赦免、長期延滞免除などの大規模な債務免除政策が繰り返されているからだ。

元ジュビリー銀行のトップらしく、李政権は過去最大級だ。自営業者などの脆弱階層113万人を対象に、7年以上延滞された5千万ウォン以下の負債を一括免除することを決めた。また、コロナ禍で被害を受けた小規模事業者10万人には、延滞元金を最大90%まで減免する。約123万人の個人・自営業者が抱える22兆6千億ウォンの負債をなくそうということだ。生計が脅かされている脆弱階層を支援し、再起を助けるのは政府が当然すべきことだ。特にコロナ禍対応の過程で負債の泥沼に陥った零細自営業者が不況の危機を乗り越えるためには、ある程度の債務調整は避けられない。

問題は、歴代政権ごとに繰り返されてきた債務免除政策が、脆弱階層の状況を長期的に改善するというよりは、「負債で負債を塞ぐ」という構造的なリスクをさらに拡大させた点だ。所得下位20%の脆弱階層の信用貸付額の推移を見ると、債務免除があると一時的に減少するものの、再び増加するパターンを繰り返している。過去の救済対象者の20%が再び負債をして信用不良者や債務不履行者に転落したという統計もある。前政権で延滞した小規模事業者・自営業者の負債を減免する「再出発基金」が発足したが、金融会社3社以上から借入をした低所得・低信用の自営業者は3年間で50%急増した。

何よりも、一回性の債務免除では、慢性的な供給過剰で「蟻地獄」となった自営業の根本的な問題を解決するのは難しい。コロナ禍を経て、全体の就業者の中で自営業者が占める割合は20%を下回ったが、主要先進国と比べると依然として2~3倍高い。まともな職が不足しているため、若年層から早期退職したベビーブーマーまでが大量に生計型起業に飛び込んでいるためだ。準備もなく性急に起業した後、負債に耐えながら廃業に追い込まれる人々が後を絶たない。自営業者の3人に1人は月平均最低賃金(月210万ウォン)すら稼げない状況だ。第2次ベビーブーム世代(1964~74年生まれ)が本格的に引退すれば、状況はさらに悪化するのは明らかだ。

このような構造的な危機を放置したまま、不良債務が積み重なった自営業者に債務調整と債務免除を繰り返すのは、国民の血税を投入して「ゾンビ自営業者」だけを増やすことになりかねない。再生可能性のある小規模事業者に流れるべき資金の余力まで遮断し、自営業の生態系の持続可能性を損なう懸念もある。さらに李氏は4日の行事で「追加免除」にまで言及したが、「返さずに耐えればいい」というモラルハザードを助長する恐れがある。現政権が掲げた免除条件(7年以上延滞、5千万ウォン以下)の負債をすでに誠実に返済した人が361万人いるが、彼らが感じる剥奪感は相当なものだ。

政府は債務免除の前歴がある人を除外するなど、厳格な基準を設けて副作用を最小限に抑えなければならない。さらに、苦しくても負債で延命する限界自営業者を選別する構造調整を急ぐ必要がある。廃業の岐路に立たされた自営業者を助ける根本的な処方は、短期的な債務救済ではなく、秩序ある出口を用意し、個別の職業教育や職業斡旋などを通じて就業の機会を開くことだ。危機に瀕した自営業をいつまでも債務免除という「酸素呼吸器」で延命させることはできない。