
2024年12月3日の「非常戒厳」の後に作成された、いわゆる「事後宣布文」を尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領(当時)が直接決裁していたことが、7月3日に確認された。内乱特検は、韓悳洙(ハン・ドクス)首相(当時)の要請によりこの宣布文を廃棄する過程で、尹氏に事前報告されたという供述も確保した。特検はこれを、尹氏が戒厳宣布の違法性を認識していた重要な手がかりと見て、5日の調査で集中的に追及する方針だ。
東亜(トンア)日報の取材によると、尹氏の内乱・外患容疑を捜査している趙垠奭(チョ・ウンソク)特検チームは、最近、カン・ウィグ前大統領室秘書官から事後宣布文について「昨年12月7日に大統領の署名を受けた」というA4用紙2枚分の供述書を受け取った。
非常戒厳宣布当日、閣僚らに配布された「非常戒厳宣布文」には、首相と国防部長官の署名欄が抜けていた。カン氏は、金周賢(キム・ジュヒョン)民情首席秘書官(当時)から「首相と関係閣僚が署名した文書が存在するのか」との質問を受けた。これに対し、カン氏は遅れて新たな戒厳宣布文を作成し、5日に韓氏と金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官(当時)からそれぞれ署名を受けた。7日には尹氏の決裁まで受けたという。
供述書によると、尹氏は宣布文の廃棄についても報告を受けた。韓氏が12月8日朝に電話をかけ、「文書がなくても閣議の実体はあるのではないか」と述べた。韓氏が電話をかけた時点は、金龍顕氏が内乱容疑で緊急逮捕された直後だった。2日後の10日にこれを尹氏に報告し、文書を廃棄したとされる。
カン氏は事後宣布文について、「行政手続きのように見せるために表紙を作った」との趣旨で特検に主張したという。しかし特検チームは、尹氏側が韓氏の署名を受けていない既存の非常戒厳宣布文の法的欠陥を認識し、それを隠すために新たな文書を作成しようとした可能性を念頭に捜査している。特検チームは、金周賢氏を呼び出し、当時の状況を追及したという。
一方、尹氏の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏の疑惑を捜査している閔中基(ミン・ジョンギ)特検チームは同日、「三富土建の株価操作」疑惑と関連して、本社と系列会社、前・現職代表の自宅など計13ヵ所を家宅捜索した。
コ・ドイェ記者 チョ・スンヨン記者 yea@donga.com






