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革命の権威

Posted June. 24, 2025 09:33,   

Updated June. 24, 2025 09:33


イスラエルとハマスの戦争が始まった時、イランが介入すればイスラエルは苦境に立たされるだろうという予測が多かった。イランの軍事力に対する過信から生まれた見通しだった。しかしイスラエルが親イラン武装組織ヒズボラまで攻撃し、イランが「張り子の虎」だったことが明らかになると、今回のイラン・イスラエル戦争に対しては序盤から的確な予測が出てきた。

正確な予測は、正確な判断を生む。そう考えると、気になってくる。以前はイランの軍事力について何も知らなかったのか?イランがシリアに介入するには、旧式のF-14戦闘機やそれ以下の機種に乗り、イスラエルのF-35を上空で排除しなければならない。それは映画『ミッション・インポッシブル』シリーズのトム・クルーズにしかできない設定だった。他にもイランの軍事力に関する客観的な指標は溢れていた。

昨年の時点でも、すぐにイラン革命政府が崩壊するような状況ではなかったが、その権威はもはやかつてのようではなかった。それは2022年のヒジャブ反対デモですでに明らかだった。歴史上すべての革命政府に共通する特性として、危機が迫るとより硬直し、原則と名分に対する執着と虚勢は強まる。これが、イスラエルのヒズボラ侵攻および両国の初の衝突の際に、イランが強硬に対応した背景だった。

イランとイスラエルの軍事力の格差が露呈し、イランの核への執着は急速に強まり、核兵器の完成に邁進したのだろう。革命政府の観点から見れば、革命の持続は核武装にかかっていると言っても過言ではない。それゆえ、イランは北朝鮮の成功例を手本に、米国との核交渉を引き延ばし、時間を稼ぐ戦略を取ってきた。

イラン政府は、米国とイスラエルの強硬姿勢、特に「無条件降伏」という表現まで用いたトランプ米大統領の圧力のなかでも、決して屈服しないという意思を示さなければならないだろう。イデオロギー的な革命は強力な名分を掲げる。そして、その名分に縛られる。これこそが、歴史が幾度となく示してきた教訓だ。