李在明(イ・ジェミョン)大統領が就任初日の4日、統合と実用、妥協を国政の大きな方向性として提示した。李大統領は、国会で行った就任演説で「大きく統合しろという大統領のもう一つの意味のように、すべての国民に仕える皆の大統領になる」と誓った。また、「譲歩して妥協する政治を復活させる」と述べた。非常戒厳と弾劾が残した傷の克服という課題を抱えて就任した李大統領が、国民統合を第1課題に掲げたのだ。
李大統領はまた、「実用的な市場主義政府を作る」と述べ、脱イデオロギーも宣言した。「進歩や保守などない。必要ならば朴正熙(パク・ジョンヒ)政策、金大中(キム・デジュン)政策も区別なく使う」という約束もした。昨年から出してきた実用主義政治に対する意志を、就任演説で再度強調したのだ。
李大統領の先制的な疎通は、就任後初の昼食会に国会議長や与野党代表を招待することへとつながった。李大統領はこの席で、「戦争のような政治ではなく、対話しながら競争する政治を望む」と述べ、「国民の力」の金龍泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長などの名前を挙げ、「頻繁に連絡する」と約束した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の3年は、政治対話が失踪した時期だった。尹前大統領と野党代表がまともに対話したのは、昨年の茶席での会話が唯一だった。このような枠組みを破って、李大統領が政治対話の復元に乗り出す考えを明確にしたのだ。
李大統領は6・3大統領選挙で、49.42%の得票率で1728万票を得た。民主党の大統領選候補としては最も高い得票率であり、過去最多得票を記録した。2位と289万票差(8.9ポイント差)の最多得票だったが、有権者はぎりぎりで過半数の得票率は許さなかった。これは李在明政権に力を与えるものの、一方的独走は警戒せよという「絶妙な民意」を示したものだ。190議席に近い汎与党陣営の国会議席まで確保した李在明政権は、このような民意を再確認し、統合と協治に乗り出さなければならないだろう。
コミュニケーションの努力は、もしかしたら1日か2日以内にヤマ場を迎えるかもしれない。民主党が大統領選挙前に公言した様々な法案を国会で処理する過程で、野党と衝突する可能性もある。過去のすべての大統領は、就任演説でバラ色の未来を唄った。しかし、実際の国政は様々な理由から約束から遠ざかる過程になった。李大統領は就任初日、熾烈な攻防の相手だった野党に手を差し伸べた。そのような試みが汎与党陣営の調整された努力につながるのか、野党が反対一辺倒というこれまでの公式から脱して、手を取り合うのか、全国民が見守っている。
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