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「共に民主党」vs「国民の力」、1ヵ月間で37件の告発合戦…政治の司法化を助長する「泥沼の大統領選」

「共に民主党」vs「国民の力」、1ヵ月間で37件の告発合戦…政治の司法化を助長する「泥沼の大統領選」

Posted May. 31, 2025 09:55,   

Updated May. 31, 2025 09:55


6月3日の韓国大統領選挙まであと4日となる中、革新系最大野党「共に民主党」と保守系与党「国民の力」が最後の局面まで互いを告発する「告発合戦」を続けている。ライバル候補のテレビ討論会での発言などに対し、「落選目的の虚偽事実の流布」として告発し合うなど、直近1ヵ月の告発件数は33件にのぼった。1日に1件以上の告発が続いている状況だ。過去に例を見ない「泥沼の大統領選」と言われる中、告発合戦が続き、「巨大政党が政治の司法化を助長している」という批判が出ている。

30日、政界によると、「共に民主党」の選挙対策委員会は、先月27日に李在明(イ・ジェミョン)候補が確定した後、同日までに「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)候補らを対象に25件の告発を行った。「国民の力」も李氏らに対し8件の告発を行った。

両党の告発件数の半分以上である19件は、ライバル候補や陣営の発言を問題視し、公職選挙法違反の虚偽事実公表の疑いで捜査を要請したものだった。第2回テレビ討論会の翌日(24日)、両党が討論会での相手候補の発言を虚偽として警察に告発状を提出した事例が代表的だ。「共に民主党」は、金氏が「全光焄(チョン・グァンフン)牧師が刑務所に入った時に涙を流したというのは嘘だ」と発言したことに対し、「泣いている映像がある」として告発し、「国民の力」は李氏が「(過去に)コメント操作の面で不正選挙だと言ったのであって、投票・開票を操作したという意味ではない」と発言したことについて、「李氏が第18代大統領選当時、フェイスブックに『大規模な選挙介入に加えて開票不正まで』と書いていた」として捜査を要請した。

一方が告発カードを切ると、もう一方が「対抗告発」で応じるケースもあった。「共に民主党」が13日、金氏が過去にユーチューブを運営していた際、「スーパーチャット」を受け取ったことが政治資金法違反に当たるとして告発した。これに対し、「国民の力」は3日後に、李氏が金湧(キム・ヨン)元民主研究院副院長の「不正大統領選挙資金受領」事件に関与しているとして同じ罪状で対抗告発した。また、「共に民主党」は18日、李氏が「コーヒー1杯を8千ウォンから1万ウォンで販売できるが、原価は120ウォン」と発言したことについて、「(カフェ経営者を)暴利をむさぼる商売人のように扱った」と批判した「国民の力」の金龍泰(キム・ヨンテ)非常対策委員を告発したが、これに対して「国民の力」は翌日、李氏を虚偽告訴の疑いで告発し、対抗措置を取った。

選挙戦が終盤に差し掛かるにつれ、告発合戦は激化している。「共に民主党」は、金氏が24日、慶尚北道尚州(キョンサンプクト・サンジュ)での遊説中に、有権者からリンゴ1かごとと干し柿1箱を受け取ったことが政治資金法違反に当たるとして告発したほか、「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表が遊説中に「(李氏の)息子が昨日また問題を起こしたらしい」と発言したことについて、虚偽事実の流布として告発すると表明した。さらに「国民の力」は、「周囲の人々が不正腐敗を犯し、権力を利用して阻止すべきことがない」という李氏の発言を虚偽として告発に踏み切った。

高麗(コリョ)大学法科大学院の張永洙(チャン・ヨンス)教授は、「法的な一線を越えないように政治の場で合理的に解決すべきだ」とし、「『政治の司法化』は司法府への圧力につながり、『司法の政治化』という副作用を生む可能性がある」と警鐘を鳴らした。


コ・ドイェ記者 ユン・ミョンジン記者 yea@donga.com