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オープンAI、次世代機器で勝負…アイフォーンデザイナーのスタートアップを買収

オープンAI、次世代機器で勝負…アイフォーンデザイナーのスタートアップを買収

Posted May. 23, 2025 09:33,   

Updated May. 23, 2025 09:33


生成型人工知能(AI)の分野で先頭走者であるオープンAIが、アイフォーンをデザインした伝説的デザイナーのジョナサン・アイブ氏と手を組んで、AIに特化した専用機器の開発に乗り出す。チャットGPTのようなAIソフトウェアを越え、ハードウェアの分野にまで影響力を拡大するという意味と解釈される。

21日(現地時間)、米紙ウォールストリートジャーナルなどの外信によると、オープンAIはアイブ氏が設立したAI機器スタートアップ「io」を全額株式取引の方法で65億ドル(約8兆9680億ウォン)で買収するという。オープンAI史上最大規模の買収合併(M&A)だ。

アイブ氏は、英国出身の産業デザイナーで、アップルのスティーブ・ジョブズ共同創業者とともに、アイフォーンやアイポッド、マックなどアップルのこれまでの代表製品をデザインした人物だ。2019年にアップルから離れた後、新しい製品の開発と生産のためにアップル出身のスコット・キャノンやエバンス・ハンキーなどと共にioを設立した。ioは、汎用人工知能(AGI)時代に向けた新概念機器の開発を目指してきた。

オープンAIは今回の買収を通じて、「スマートフォン以降」のAI特化機器を開発する計画だ。WSJによると、アイブ氏とオープンAI最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマン氏は、この2年間、非公開で次世代AI機器の開発を共同で推進してきた。彼らは画面のない形態のデバイス、例えばカメラを内蔵したヘッドホンなど多様な形態の機器を構想してきたと知られた。

オープンAIは、公式ブログでアイブ氏との協力ニュースを公開し、アルトマン氏とアイブ氏の9分22秒の対談の映像も公開した。アルトマン氏とアイブ氏は、「インスピレーションを与え、可能性を開いてくれる製品を開発することに集中してきたioが、今やサンフランシスコにある研究、エンジニアリング、製品チームとさらに密接に協力するためにオープンAIと合併する」と話した。

オープンAIは、今回の合併で約55人のハードウェアエンジニア、ソフトウェア開発者、生産専門家で構成されたioの人材を確保することになった。オープンAIは、io所属のハードウェアやソフトウェアの開発者を中心に、担当部署を新設するという。今回の取引は、規制当局の承認がなされれば、今夏に完了するものと予想される。

ソフトウェア中心だったオープンAIが、ハードウェア領域に直接乗り出し、情報技術(IT)業界ではオープンAIとアイブ氏の協業が「第2のアイフォーン」を誕生させることができるか注目している。特に、アイブ氏のデザイン哲学とオープンAIのAGI技術が融合すれば、従来の電子機器とは全く異なる形のAIデバイスが登場するだろうという期待も高まっている。

アルトマン氏は、「スマートフォンの登場でノートパソコンが消えなかったように、私たちが出す最初の製品でスマートフォンが消えることはないだろう」としながらも、「新しく出す製品は、完全に新しい種類になるだろう」と強調した。


ナム・ヘジョン記者 namduck2@donga.com