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「海で1年以内に生分解」 プラスチックの新素材、韓国化学研が大学と共同で開発

「海で1年以内に生分解」 プラスチックの新素材、韓国化学研が大学と共同で開発

Posted April. 28, 2025 08:44,   

Updated April. 28, 2025 08:44


網や釣り糸などの漁具が、海で流されたり廃棄されたりして、海洋生態系を汚染させている。このような中、ナイロンほど丈夫でありながら海に捨てられた時、1年以内に分解できるプラスチックの新素材が開発され、注目を集めている。

韓国化学研究院は27日、精密バイオ化学研究本部のチョン・ヒョンヨル責任研究員、キム・ヒョジョンとパク・ソンベ主任研究員の研究チームが、仁荷(インハ)大学のオ・ドンヨプ教授や西江(ソガン)大学のパク・ジェヨン教授と共に、海洋で1年以内に92%以上生分解されながらもナイロン並みの強さと柔軟性を維持する「ポリエステル-アミド(PEA)」の高分子を開発したと発表した。この素材は、漁具だけでなく衣類用繊維や食品包装材などにも活用できる。

海に捨てられる漁具などにより、生分解性プラスチック素材が開発されている。既存の生分解性プラスチックは、網などで使用するには耐熱性と耐久性が足りない。研究チームは、海で耐久性と分解性を同時に持つ素材を開発した。生分解を促進するエステルと強い特性を持つアミドを結合して、PEA高分子を開発した。アミドとエステルを結合するには、毒性有機溶媒が必要だ。研究チームは、大型反応器を利用して、有機溶媒なしにPEA4キロを生産した。既存のポリエステル生産設備を一部のみ修正すれば、PEAの生産が可能となる。

研究チームは、生産したPEAを慶尚北道浦項(キョンサンプクト・ポハン)沖に1年間浸し、最大92.1%まで生分解されることを確認した。PEAの引張強度は110MPa(メガパスカル)以上である。引張強度とは、引っ張る時に耐える強さで、PEAで作った糸一本は10キロの物を持ち上げても切れないほどの強さを持っている。PEAで作った生地は、150度のアイロンに耐えられることも確認された。

研究チームは、PEAで作った製品を2年以内に実用化できるものと予想した。韓国化学研究院のイ・ヨングク院長は、「既存のエンジニアリングプラスチックの物性を持つ生分解性高分子の産業化を操り上げることができるだろう」とし、「今回の研究は、海洋ゴミ問題の解決に貢献すると期待する」と話した。研究結果は3月、国際学術誌「アドバンスト・マテリアルズ」の表紙論文として掲載された。


ムン・セヨン東亜サイエンス記者 moon09@donga.com