
中国の生成AI「ディープシーク」の韓国利用者の情報が、同意なしに中国や米国など4社に提供された事実が新たに確認された。これまで、中国企業1社のみに個人情報が渡ったとされていた。
個人情報保護委員会は24日、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、「ディープシーク事前実態点検結果」を発表した。点検の結果、ディープシークは今年1月15日に韓国でのサービスを開始し、2月15日に中止されるまで、利用者の個人情報を北京ディープシーク、ボルケーノ・エンジンテクノロジー(以下、ボルケーノ)、シュエメイ・テクノロジー、インターコムなど、中国3社、米国1社に提供したことがわかった。これらは主にセキュリティや苦情サービスなどを提供する企業だ。個人情報保護委員会は、スタートアップの場合、一部の業務を外部企業に委託することが多いと説明した。
問題は、情報が利用者に事前告知なく提供された点だ。ディープシークは国外提供について利用者の同意を得ておらず、個人情報処理方針にこのことを公開していなかった。中国語と英語で書かれた当該処理方針には、個人情報破棄の手続き及び方法、安全措置など、個人情報保護法上の要件も欠けていた。TikTokの親会社「バイトダンス」の系列会社ボルケーノには、利用者がAIプロンプトに入力した内容がそのまま渡っていたことが確認された。ディープシークはこれについて、UI・UX改善とセキュリティ強化のために業務委託を利用したと説明した。個人情報保護委員会は、ディープシークに対し、個人情報の国外提供時に合法的な根拠を備え、ボルケーノに提供した利用者のプロンプト入力を直ちに破棄するよう是正勧告した。ディープシークがこれを10日以内に受け入れれば、是正命令とみなされ、60日以内に履行結果を提出しなければならない。
個人情報保護委員会は、児童の個人情報保護の面でも改善を要求し、改善事実を確認したと明らかにした。利用者が入力した情報がAI学習に使用されないよう拒否できる機能(オプトアウト)がないという指摘に対して、ディープシークは先月17日から「オプトアウト」機能を導入した。また、個人情報保護委員会が勧告した「強化された保護措置」をすべて順守することを決めた。物議を醸した「キーボードパターン」情報は、実際には収集されていなかったことがわかった。ディープシークは1月、行き過ぎた個人情報収集が物議を醸し、新規ダウンロードサービスを一時停止した。問題が是正され次第、韓国でのサービスを再開する見通しだ。
イ・ソジョン記者 sojee@donga.com